TikTokとは、2016年に中国のByteDance社がリリースしたショートムービーに特化した動画投稿型SNSです。
10・20代の若者を中心に爆発的に広まり、世界のダウンロード数が20億人以上、国内の月間アクティブユーザー数が950万人を突破し注目を集めているアプリです。
そんな話題のTikTokですが、2018年に運用型広告のサービスが開始されビジネスでも利用されるケースが増加しています。
本記事では、TikTokをビジネスで利用したい方に向けて、TikTok広告の特徴や費用、出稿手順を解説していきます。
代理店にアウトソースする場合は、株式会社UnionのTikTok運用代行サービスをご利用いただくことも可能です。
関連記事:『Z世代にリーチできる施策!TikTok動画広告における3つの成功事例を紹介』
Contents
TikTok広告とは
TikTok広告では、15~60秒程度の動画広告を配信できます。
ユーザーの投稿の間に広告を配信するため、広告感がなく自然な形でユーザーにアプローチすることができます。
さらに、「縦型フル画面」表示であることから、ユーザーの印象に強く残り、効果を最大化することができます。
TikTokが実施した調査では、縦型フル画面は「広告認知度+63%」「購入・利用意向+34%」の効果があることが分かりました。
参考:『TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?』
ユーザーの傾向
ユーザー層
リリース当初のTikTokは10代20代の若者が使うアプリという印象が強かったですが、利用者数の増加にともない30代40代の利用者も増加しています。
そのため、幅広い世代への訴求が可能です。
利用時間帯
TikTokの利用者が多い時間帯を以下にまとめました。
- 帰宅後の自由時間:45.4%
- 寝る前の時間:39%
- 昼休み中:10%
最も利用者が多かったのは、帰宅後の自由時間でした。他にも、休憩時間や移動中などのスキマ時間にもTikTokは利用されていました。
また、1日の平均使用時間は約62分という調査結果が出ています。
利用目的
TikTokのユーザーは「未知なる出会い」を探している、「無目的」な状態で回遊している人が多いです。
無目的で回遊している人は、目的がある人の2倍も出会いや発見に敏感になり、興味を持ちやすくなります。
例えば、以下の例をご覧ください。

(散歩中)何かを発見!⇒足を止めて見る

(通勤中)何かを発見!⇒スルー
「ここに行きたい」「この情報が欲しい」という目的があるユーザーに無関係な広告を表示しても興味を持ってもらいにくいですが、無目的なユーザーは広告に興味を持つ可能性が高いのです。
関連記事:『TikTokに企業のPR動画を投稿してマーケティングする4つのメリット』
TikTok広告の種類
TikTok広告は以下の3つに分類されます。
1Dayメニュー
TopView
「TopView」とは、アプリ起動時に配信される縦型フル画面の動画広告です。
引用:『TikTok For Business』
15秒から最大60秒の動画を配信することができ、アプリ起動から3秒経つと自然な形でフィード画面に切り替わります。
1日最大2社という規約はありますが、TikTok内最大のリーチを誇り、商品やブランドの認知拡大に最適です。
TopView広告には審査があり絵コンテや楽曲を共有する必要があります。それが難しい場合は下記の注意点を確認してから動画を作成しましょう。
・縦型フルスクリーンのみです。横型動画の使⽤、また横型素材を元に静⽌画背景に貼り付けるなどした動画は不可となります。
・横型動画を縦に複数個分割して並べる等の動画は問題ありませんが、動画最初の3秒間は「単独で全画⾯・縦型」が必須です。
・静⽌画の表⽰は終了画⾯のみ使⽤でき、2秒以内となります。常時静⽌した部分がある場合、不可となる可能性が⾼いです。
・動画最初のフレーム(ファーストフレーム)において、黒い部分の⾯積は60%以内としてください。
・いくつかの静⽌画やテキストのみで作られた素材や、ただ歌うのみ・踊るのみといったストーリー性の無い動画は不可です。
・最初の3秒間に極度にコンバージョンを煽る誘導情報を記載することは禁⽌しています。
・QRコード、バーコードや連絡先番号・住所などの記載はできません。
・スマートフォンの動作を模した素材(中⽌・再⽣・電話をかける/切る・スワイプ指⽰等)は使⽤できません。
・企業、商材ロゴのサイズは390px*104px以内。常駐は不可です。
など
100%SOV:970万円(1日1社限定)
※SOV=TikTokアプリ内での広告占有率・出稿量
起動画⾯広告
「起動画⾯広告」とは、アプリ起動時に配信される静止画/無音動画広告です。
仕組みは「TopView」と同じですが、フォーマットは静止画3秒/ 3~4.9秒の無音動画に限定されます。
1日最大2社という規約はありますが、高いインプレッションが期待できるため、商品やブランドの認知拡大に最適です。
100%SOV:970万円(1日1社限定)
OneDayMax・Plus
「OneDayMax・Plus」とは、アプリ内の「おすすめ」フィード4post目に配信される動画広告です。
最大60秒の動画を配信することができ、ユーザーの投稿の間に配信されるので広告への抵抗感・不快感を最小限に抑えられます。
TopViewや起動画面広告と同じく1日最大2社ですが、1Dayメニューの中で唯一「Deeplink」が使用可能なのでCV獲得に適しています。
Deeplinkとは、URLリンクの一種で、アプリ内の特定の場所にユーザーを直接誘導することができます。直接広告のサービスや商品の購入画面に移動できるため、ユーザーの手間を減らすことができます。
- OneDayMax:400万円(フリークエンシー最大1回)
- OneDayMax Plus:610万円 (フリークエンシー最大4回)
※フリークエンシー=同じユーザーへの表示回数
引用:『TikTok For Busines』
通常メニュー
Brand Premium
「Brand Premium」とは、アプリ内の「おすすめ」フィード130post以内に配信される動画広告です。
引用:『TikTok For Busines』
最大60秒の動画を配信することができ、ユーザーの投稿の間に配信されるので広告への抵抗感・不快感を最小限に抑えられます。
性別/年齢/地域/カテゴリなど、細かいターゲティングができるため、エンゲージメント獲得やLP誘導に最適です。
1週間パッケージ:210万円~
2週間パッケージ:420万円~
ブランドオークション
「ブランドオークション」とは、広告運用中にターゲティングなどの設定を変更できる運用型広告です。
引用:『TikTok For Busines』
オークションによって金額や配信場所が決まります。また、TikTok内で過去出稿した広告の視聴者にリターゲティングできます。
プロモーション目的に合わせて柔軟にアプローチすることができ、視聴最適化に特化しています。
動画視聴数:CPV(6秒または2秒視聴されると費用発生)
表示回数・時間に応じて費用が発生するので、TikTok広告の中では比較的手軽に始められます。
Interactive Card
「Interactive Card」とは、ユーザーと直接コミュニケーションができる無償オプションです。
ユーザーに選択・投票をしてもらい、LPへの遷移を促進することができます。またユーザーのアクション結果からインサイトを深められます。
オリジナルメニュー
#Challenge(ハッシュタグチャレンジ)
「#Challenge」とは、ハッシュタグを指定し、ユーザーに自社コンテンツの投稿を促すユーザー参加型の広告です。
大量のUGC(ユーザーによって作られたコンテンツ)を生成・拡散することができるので、新規ユーザー獲得に最適です。
プレミアム:2,000万円
Branded Effect(ブランドエフェクト)
「ブランドエフェクト」とは、「髪色」や「コスメ」などのエフェクトを作成し、ユーザーに自社商品を疑似体験してもらう広告です。
どこでも手軽に商品を試すことができ、CV獲得に最適です。
「インフィード広告」や「#Challenge」などと組み合わせることができます。
プレミアム(物コントロール/3D/AR/MiniGame):700万円
パッケージプラン
「パッケージプラン」とは季節ごとの#Challengeに協賛できるパッケージです。テーマに沿って動画を選定し、入賞者には商品を提供することができます。
広告種類まとめ
広告の種類 | 特徴 | 課金方式 | 費用 |
TopView | 特徴:1日最大2社 場所:起動画面(動画) 効果:認知拡大 | CPT | 540万円~ |
起動画⾯広告 | 特徴:1日最大2社 場所:起動画面(静止画可) 効果:認知拡大 | CPT | |
OneDayMax・Plus | 特徴:1日最大2社 場所:おすすめ4post目 効果: CV獲得 | CPM | 400万円~ |
Brand Premium | 特徴:ターゲティング可能 場所:おすすめ130post以内 効果:CV獲得 | CPM | 42万円~ |
ブランドオークション | 特徴:運用型広告 場所:オークションで決定 効果:認知拡大,CV獲得 | CPM CPV | オークション |
Interactive Card | 特徴:コミュニケーション | – | 無料オプション |
#Challenge | 特徴:参加型 効果:情報拡散 | – | 1,500万~ |
Branded Effect | 特徴:疑似体験型 効果:CV獲得 | – | 400万円~ |
パッケージプラン | #Challengeに協賛 | – | – |
参考:『TikTok 純広告2021年Q2MEDIA GUIDE(簡易版)』
TikTok広告出稿までの7ステップ
事前準備
準備するもの
- 広告素材(動画/プロフィール画像等)
- ランディングページ、ストアURL
決めておくこと
- 出稿目的
- ターゲット
広告アカウント開設
まずは『TikTok For Business』にアクセスし、広告アカウントを開設しましょう。
広告アカウントを開設するには以下の情報が必要になります。
- メールアドレス
- 電話番号
- パスワード
- 会社の所在地
- ビジネス名
- 業種
- 会社のWebサイト
- お支払い情報(後で入力可能)
お支払情報について
請求先住所・税務情報を入力後、支払いタイプを選択します。
支払いタイプには「手動決済」と「自動決済」があるので、以下で確認しておきましょう。
支払いタイプは選択後変更することができないのでご注意ください。
広告の目的設定
管理画面内の「広告を作成する」をクリックして、広告作成に入ります。
まずは広告の目的を設定します。目的は以下の7つから選択可能です。
目的 | 詳細 |
リーチ | より多くのユーザーに広告を見てもらいたい場合 |
トラフィック | Webサイトやアプリストアへの誘導数を増やしたい場合 |
コンバージョン | Webサイト上でライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の高いユーザーの購買行動を促進 |
アプリインストール | アプリインストール数を増やしたい場合 |
動画視聴 | 動画視聴数を増やしたい場合 |
リード生成 | ビジネスやブランドに対する見込み顧客を獲得します |
コミュニティ インタラクション | ページのフォロー数とプロフィール訪問数を増やしましょう |
- 認知拡大➾リーチ
- 購買意欲➾トラフィック/アプリインストール/動画視聴/リード生成/コミュニティインタラクション
- コンバージョン➾コンバージョン
参考:『最適なプロモーションの目的の選択方法』
次にキャンペーン名を設定し、「スプリットテスト」「キャンペーン予算最適化」の設定を行います。
スプリットテストとは
テスト広告セットを比較して、どちらの戦略がより高い広告配信結果をもたらすかを判断します。潜在的なリーチは正確なスプリットテスト結果を得るためにテスト広告セット間で分割されます。引用:『スプリットテストの紹介』
キャンペーン予算最適化とは
キャンペーン予算最適化(CBO)は、予算を広告セットレベルではなく、キャンペーンレベルで最適化する機能です。この機能により、一式の予算最適化を個々に設定するのではなく、キャンペーンに属するすべての広告セットに適用することができます。引用:『キャンペーン予算最適化』
次に先ほど選択した目的の詳細設定を行います。
具体的に、どのアプリをインストールしてもらうのか、どこのWebサイトに誘導するのか、コンバージョンとしてカウントするイベントは何かを設定します。
プレースメント設定
次に広告を配信したい場所を選択します。キャンペーン作成後の変更は不可能なので慎重に選択しましょう。
配信先は『TikTok』の他に『BuzzVideo(キュレーションAPP)』『Pangle』から選択可能です。
BuzzVideo
- 動画や漫画など幅広いジャンルのコンテンツ配信アプリ
- 30代以降の大人の利用者が多い
- 男性向け商材、金融、アプリ案件に強い
参考:『BuzzVideo』
Pangle
- TikTokが連携する多数のアプリ内に広告が配信される
- ユーザーが実際にプレイできるデモ広告を使用
- ターゲティング、AIアルゴリズムの精度が高い
参考:『Pangle』
特定の場所に配信したい場合は「手動プレースメント」、より多くのユーザーに配信したい場合は「自動プレースメント」を選択しましょう。
ダイナミック広告とは、最大10個の画像/動画、5個の広告テキストなどの素材を自動で組み合わせ、複数のクリエイティブを生成する機能です。
また、素材の組み合わせ毎の評価を継続的に実行してくれます。
参考:『ダイナミック広告』
ターゲット設定
次はターゲティングの設定を行います。TikTokでは以下の項目でターゲティングが可能です。
- 地域
- 言語
- 性別(無制限/男女)
- 年齢(無制限/13-55+)
- 興味&行動
- デバイス(iOS/Android)
- バージョン/デバイスモデル/キャリア
- 通信環境(Wifi、2G、3G、4G)
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
配信スケジュール設定
広告を配信するスケジュールを設定します。曜日と時間帯で設定することができます。「一日中」をクリックして、広告を常に配信することも可能です。
次に「最適化の目標」と「入札タイプ」を設定します。
広告の作成
以下の表を参考に広告の作成を行い、「送信」をクリックすると設定完了です。ここから審査が開始されます。
配信場所 | アスペクト比 | 解像度 | ファイル形式 | ファイルサイズ |
TikTok内 | 9:16 1:1 16:9 | ≥720*1280px ≥640*640px ≥1280*720px | .mp4/.mov/ .mpeg/.3gp/ .avi | 500MB以内 |
キュレーションアプリ内 | 16:9 1:1 | 制限なし(推奨) ≥720*1280px ≥640*640px ≥1280*720px | .mp4/.mov/ .mpeg/.3gp/ .gif |
参考:『動画規定』
注意点
出稿禁止業種
TikTok広告では以下のような業種の広告配信が禁止されています。
自社の業種が該当しないかご確認ください。
- 先物、外国為替、P2P関連商品
- クレジットカード
- 海外のファイナンシャルサービス
- 海外の不動産取引
- 動画チャットサービス
- ギャンブル、パチンコ
- ゲームでの換金、リアルマネートレード
- 有料ガチャの宣伝広告
- 給与前払い(ファクタリング)サービス
- 高齢者向けの治験
- 医療機構(整形外科も含)
- 医療機器
- 風俗、クラブ
- 動物の販売/引き取り/引き渡し
参考:『TikTok広告ポリシー』
キャンセル不可
TikTok広告では、一度申し込みが成立するとキャンセルができません。広告出稿が割り当てられると、一切キャンセルができない仕組みになっています。
例えば、何かしらのトラブルで制作が間に合わず、出稿期限を過ぎてしまった場合、全額費用が発生します。
また、配信を中断することはできますが、その場合も費用の返金はありませんので、注意が必要です。
配信タイミングのずれ
TikTok広告は入稿時審査があります。配信予定直前に審査を受けて落ちてしまうと、配信が間に合わなくなってしまう恐れがあります。
特に1日1社限定の広告は審査が厳しいので、事前に審査基準を確認し、仮入稿をして審査を先に通しておきましょう。
まとめ
今回はTikTok広告の特徴や出稿手順、注意点をご紹介しました。
利用者数の増加や年齢層の拡大によって注目を集めているTikTokですが、途中キャンセルができない、最低出稿料が高いなどのリスクもあるので、TikTok広告を初めて利用する場合は、専門のスタッフがいる代理店に任せることをおすすめします。
弊社ではTikTok広告運用代行というサービスを展開しております。
TikTok広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬事法管理者が在籍しておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能。
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監修者
2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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