友達追加したユーザーに対して直接メッセージを送ることができるなど、顧客とのコミュニケーションを取る際に有用な施策であるLINE公式アカウント。
LINEは人口の約7割に相当する9,000万人を超えるユーザーを抱えるSNSであり、LINE公式アカウントでは、これらのユーザーに対し直接接点を設けることができます。
LINE公式アカウントはPCを用いた運用により、その機能を最大限に活用することが出来ますが、基本的な機能に関してはスマートフォンやタブレットなどにダウンロードできるアプリで完結できることをご存知でしょうか。
引用:『LINE Business Guide_202201-06』
LINEのWebページでは、LINE公式アカウントを活用し集客に成功した事例が多数掲載されています。
プロのカメラマンに撮影を依頼できるウェブサイト「パーティフォト」を運営する有限会社ラディックは自社のWebページの至る所にアカウントへのリンクを設置し、LINE公式アカウントへの友達登録を誘導することで、1,000人を超える友達を獲得し、ユーザーが容易に相談できる環境づくりを達成しました。
現在では、問い合わせの7割がLINE公式アカウント経由となり、より利便性の高いサービスを実現しました。
引用:『問い合わせの7割がLINE経由!確かな満足とともにライフイベントを写真に残すためのLINEチャット活用とは|LINE for Business』
このようにLINE公式アカウントは、より距離感の近い接点の作成の実現に役立ちます。
当記事では、ユーザーとの関係を築く上で役立つLINE公式アカウントをスマホで運用する方法について紹介します。
関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
Contents
LINE公式アカウントとは
LINE公式アカウントでは初期費用をかけず、また小規模店舗であれば、月額料金をかけることもなくユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
LINEで友達や家族にメッセージを送るのと同じ形で情報発信をすることができます。
引用:『【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business』
料金がかかるか否かは、月に送信するメッセージの数により決定されます。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 1,000通/月 | 15,000通/月 | 45,000通/月 |
追加メッセージ料金 | 不可 | 5円/通 | 1.1~3円/通 |
1,000通までは無料で送信でき、1,000通から15,000通送信する場合は月額固定費5,000円のライトプラン、15,000通から45,000通送信する場合は月額15,000のスタンダードプランに加入する必要があります。
また、無料プランでは、1,000通を超えるメッセージを配信することはできませんが、ライトプランでは5円、スタンダードプランでは、最大3円、最低1.1円支払うことで追加でメッセージを送ることができます。
ここでの1通の中に最大3つ吹き出しを配置することができ、吹き出しには、文章や画像、LINEスタンプなどを配置することができます。
引用:『【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business』
また、メッセージとチャットが異なる点を認識しておく必要があります。
引用:『メッセージ配信を作成する|LINE for Business』
LINE公式アカウントにおいてメッセージとは以下の条件を満たしたものを指します。
- 上の画像のように「メッセージを配信する」をタップし、作成したもの
- 配信先を設定し、複数のユーザーに対し、一斉に送信されるもの
チャットは個人間でのトークのやり取りであるため、メッセージ数としてカウントされないことに留意しておく必要があります。
LINE公式アカウントでは、自動応答の設定をすることができ、それによってユーザーのチャットに対し、設定したチャットで返信することができます。
自動応答は「bot」によって行われます。
- 応答メッセージ
- AI応答メッセージ
- 「Messaging API」の利用
の3種類があり、詳しくは『2-3.LINEチャット』で説明していますが、キーワードを設定する方法や、AIによって分類する方法などを用いて、適切に返信する仕組みのことを「bot」といいます。
引用:『LINEでチャットボットを利用する方法と導入・活用事例』
また、通常のLINEと同じように個々のユーザーとチャットでやりとりすることも可能です。
ホームページ作成に関するノウハウやお役立ち情報を提供しているホームページ作成大学が中小企業の経営者1,395名に対して行った広告費に関するアンケートでは、年間の広告費の平均は98万円、これを月毎に換算すると、81,667円ほどコストを割いていることがわかりました。
引用:『【自主調査】中小企業の広告宣伝費用はどのくらい?調査データを大公開!』
最もコストのかかるLINE公式アカウントのスタンダードプランを使用した場合であっても月々の平均広告費の20%にも満たないため、中小企業にとって導入を検討しやすい施策です。
LINE
LINE公式アカウントは、LINEビジネスアカウントの登録をし、登録したアカウントに必須事項を入力することで開設することができます。
もちろんスマホアプリからでも同様の手順でアカウントを開設することができます。
アプリのダウンロード
iPhoneやiPadでLINE公式アカウントを使用する場合は以下のリンクからダウンロードしてください。
参考:『「LINE公式アカウントをApp Storeで – Apple」』
Android端末でLINE公式アカウントを使用する場合は以下のリンクからダウンロードしてください。
参考:『LINE公式アカウント – Google Playのアプリ』
ダウンロード後、アプリを起動し、指示に従って登録を進めましょう。
LINE公式アカウントの登録
アカウントの登録は既にLINEのアカウントを持っている場合、アカウントを同期することで、何も入力することなく登録することができます。
LINEアカウントを持っていない場合や、LINEアカウントと同期したくない場合であってもメールアドレスで登録できます。多少手順は増えてしまいますが、こちらでも簡単にアカウント登録をすることが可能です。
次にアカウント名や業種といった基本情報を入力します。
入力完了後、初期設定を行います。
質問に答えることで簡単に初期設定を完了できます。
質問された内容は、
- 運用の目的
- チャット機能は手動か自動か
- プロフィール画像の追加
引用:『【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business』
以上を入力することで、アカウントの作成は完了です。
関連記事:『集客や販促で活躍!LINE友だち追加広告とは?導入メリット2選』
LINE公式アカウントアプリでできること

LINE公式アカウントアプリを使用することで、どのような機能を使用できるのでしょうか。
LINE公式アカウントアプリでは、以下の8項目を管理することができます。
- メッセージ配信
- LINE VOOMへの投稿
- LINEチャット
- クーポンの作成
- ショップカードの作成
- プロフィールの設定
- 分析の確認
- リッチメニューの作成
メッセージ配信
引用:『メッセージ配信を作成する|LINE for Business』
LINE公式アカウントを友だち登録しているユーザーに対し、直接メッセージを送ることができます。
テキスト、画像、動画、音声、スタンプを送ることが可能です 。1回の配信で3吹き出し送信することができるため、送信する際は、組み合わせの中でユーザーが最も興味を持ちやすいものは何か検討をし、最適な吹き出しを選択しましょう。
最適な組み合わせを見つける際、LINE公式アカウントでは、A/B テストを実施することができます。
A/Bテストとは、Webサイトのデザインやテキストなどの最適化を図る際に、特定の要素を変更したパターンA、パターンBを作成し、ランダムでユーザーに表示する中で、成果の出やすいパターンはどちらか検証するテストのことです。
LINE公式アカウントのメッセージ機能では、複数のバリエーションのメッセージを作成し、選択した割合でユーザーに配信を行うことで、どのメッセージが最適だったか効果検証を行うことができます。
LINE公式アカウントは、4パターンのメッセージを作ったケースでは、配信するユーザーから40%程度抽出し、10%ずつメッセージを配信し、最も効果の高かったメッセージを残りの60%に送信する方法を紹介していました。
引用:『【LINE公式アカウント】A/Bテスト機能で判明!CTRが高いメッセージ配信とは|LINE for Business』
無料でLINE公式アカウントを使用する場合であれば、1,000しか送信できないメッセージを有効活用するために、A/Bテストを活用しメッセージの最適化を目指しましょう。
また、メッセージを送信する際、細かくターゲティングを行うことも可能です。
LINEではそれぞれのアカウントの行動から年齢や性別などといった属性データを推計しています。属性データを用いてセグメント配信を行うことができます。
また、通常のLINE同様、公式アカウントにおいても「既読」か「未読」か、確認することができます。読まないユーザーに対して、メッセージを送っても効果を期待できないため、それ以前に送ったメッセージを「既読」のユーザーにターゲティングをし、配信を行うことも可能です。

メッセージ配信にかかる月ごとの予算は予め設定しておくことが可能で、その範囲内でメッセージ配信を行う機能もあるため、設定しておくことで予算を気にせずにメッセージ配信を行うことができます。
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
LINE VOOMへの投稿
動画やテキスト、画像をLINE VOOM上に公開することができます。
LINE VOOMとは、2021年11月25日に元々あったタイムライン機能を踏襲しスタートしたサービスであり、主に短い動画コンテンツを配信するためのプラットフォームです。
引用:『LINE VOOMを利用する|LINE for Business』
トークの横にある「VOOM」と書かれたバナーをクリックすることで閲覧することができます。
閲覧したユーザーは投稿に対して、「いいね」することができ、またコメントを残すこともできます。公式アカウントでの配信も同様です。
コンテンツの投稿者はコメントに対し、返信をすることでLINE VOOM内でユーザーとコミュニケーションを取ることができます。LINE公式アカウントでも、機能を活かし、ユーザーと接点を持つ場としてLINE VOOMを活用することもできます。
また、LINE VOOMではアカウント内の友だちに公開されるのではなく、LINE VOOMの中でフォローしたユーザーに対してコンテンツを配信することができます。そのため、友だち以外のユーザーに対しリーチできる重要な機能です。
LINE VOOMでは、メッセージと異なり、どれだけコンテンツを投稿しても費用は一切かかりません。
引用:『LINE VOOMの投稿を作成する|LINE for Business』
LINE VOOMでは、LINE公式アカウントアプリから、簡単に投稿を作成することができ、また配信時間の設定も簡単に行うことができます。無料で簡単かつ好きな時間に投稿できるLINE VOOMを活用しましょう。
LINE チャット
LINEチャットは初期設定でチャット機能をオンにした場合に使用できる機能です。
LINEを使って個々人間でやりとりをするのと同じように、ユーザーとやりとりをすることができます。
この機能は、どれだけチャットをした場合であっても、メッセージ数にカウントされないため、無料で使用できる機能です。
電話に出られないようなタイミングであってもチャットを受信することはできるため、落ち着いたタイミングで返信することができ、ユーザーが何度も折り返し電話をする負担を軽減することができます。また、電話では管理しづらいユーザー情報も履歴が残るため簡単に管理することができます。
一人ひとり対応することができる小中規模店舗限定にはなりますが、有用な施策です。
設定で営業時間や休日を設定することで、チャットが送信される時間を設定することができ、また、対応できない時間は「bot」を用いて自動応答を行うことで対応することも可能です。
自動応答では、200個の返信を予め設定することができ、返信にキーワードを紐づけておくことで、違和感のない対応を実現可能です。
また、キーワードを設定せずに、AIによってメッセージの内容をタイプごとに分類し、タイプごとに適した返信を送信する設定や「Messaging API」を使用し、チャットボットを作成することで、効率的な返信や問い合わせを実現する方法もあります。
引用:『Messaging API|LINE Developers』
上の画像のようにチャットボットは予め回答を準備し、ユーザーは選択するだけで、必要なコミュニケーションを完結することができます。

LINEチャットはユーザーとのコミュニケーションを円滑にする有用な施策です。
クーポンの作成
引用:『LINE公式アカウントでクーポン配信|集客・販促に役立つ賢い使い方』
LINE上で使用できるクーポンを作成することができます。
作成したクーポンはメッセージやLINE VOOMで配布することができます。
ショップカード
引用:『LINEショップカード活用方法|作成方法や導入事例|LINE for Business』
ポイントカードをLINE内で所持できる機能です。
飲食店や薬局など、来店や購入金額に応じてポイントカードにポイントが貯まるサービスを提供している店舗は多いです。
CCCマーケティングが2018年に、20代から50代の男女、600人を対象に行ったアンケートでは、79.7%のユーザーがポイントカードを忘れた経験があると答えており、ショップカード機能を活用することでスマホ内にポイントカードを所持することが出来るため、忘れる心配を払拭することができます。
引用:『今すぐチェック!! ポイントカード忘れにより付け損ねた“ユーレイポイント”が、年間約580億円にも上ることが判明!』

LINE公式アカウントアプリでは、ショップカードのデザインや特典を獲得するために必要なポイント数などの設定を行うことができます。
プロフィールの設定
企業やブランドの基本情報を掲載するページの編集を行うことができます。
プロフィールにはパーツ(旧:プラグイン)と呼ばれるコンテンツを追加することができ、ユーザーに情報が伝わりやすいようにカスタマイズすることができます。
自由記述やアイテムリスト、最新の投稿、お知らせなどのパーツがあり、最もユーザーに認知を促したい情報をプロフィールに掲載することができます。
分析の確認
引用:『分析 – ダッシュボード|LINE for Business』
メッセージを送ったユーザー数や送ったメッセージを開封したユーザー数、公式アカウントを友だち登録しているユーザー数などの情報を確認することできます。
リッチメニューの作成
引用:『リッチメニューを作成する|LINE for Business』
ユーザーがトーク画面に訪問した際に画面下部に表示されるリッチメニューを編集することができます。
テンプレートがあるため簡単に作成できます。また、背景画像を登録することでオリジナリティのあるリッチメニューを作成することも可能です。
LINE公式アカウントアプリでできないこと
上記したようにLINE公式アカウントの基本的な機能はアプリ内で完結することができます。しかしながら、PCを用いたアカウント運営により、最大限に機能を活用することができ、状況に合わせて、より柔軟に対応できるようになります。

それでは、スマホでは使用できず、PCでのみ使用可能な機能にはどのようなものがあるのでしょうか。
LINE公式アカウントアプリでできないことは以下の通りです。
- リッチメッセージの作成
- リッチビデオメッセージの作成
- リサーチの作成
- カードタイプメッセージの作成
- LINE Tagの発行
- アカウントのグループ化
- ステップ配信
リッチメッセージの作成
引用:『【公式】リッチメッセージの活用法|運用メリットや作成方法、導入事例』
リッチメッセージでは、画像や動画とメッセージを組み合わせたメッセージを配信できます。もともと吹き出しを3つ使用して伝達していた情報を吹き出し1つ、または2つに削減することができ、よりスマートなメッセージ配信を実現します。
リッチビデオメッセージの作成
自動再生される動画型のメッセージを配信する機能です。
リサーチの作成
引用:『LINE公式アカウントの新機能「リサーチ」をリリース!インタラクティブなコンテンツが配信可能に!』
投票形式やアンケート形式でユーザーの趣味嗜好を調査できる機能です。
回答者と回答内容をリンクさせた状態で回答を回収できるため、今後のメッセージ配信などで活用することができます。
カードタイプメッセージの作成
引用:『カードタイプメッセージ|LINE for Business』
カルーセル形式で複数枚のカードを配信できるメッセージフォーマットです。
整理されたレイアウトを実現することができます。
LINE Tagの発行
LINE Tagを発行することで、メッセージの成果を確認することができます。
Tagを発行し、CVまでの動線のHTML内にTagを貼り付ける必要があるため、難易度の高い施策ですが、メッセージの最適化を測る際には非常に有用です。
関連記事:『LINE Tagとは?3種類のコードを使った広告の効果測定する方法を紹介』
アカウントのグループ化
最大5,000人のLINEアカウントが所属するグループを作成することができます。グループごとにコンテンツが配信できます。
ステップ配信
友だち追加したユーザーに対し、予め設定しておいたタイミングで設定しておいた内容のメッセージを配信するサービスです。
ユーザー属性や追加した経路に応じて配信するタイミングを変更でき、ケースごとに柔軟に対応可能な配信方法です。
関連記事:『LINEポイントADとは?6つのメニューで友達登録を促し認知拡大!』
まとめ
LINE公式アカウントは国民のおよそ7割のユーザーに対しリーチできるのにもかかわらず、コストをかけずに簡単に導入でき、またスマートフォンのアプリ内で基本的な管理を行えます。
導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、LINE公式アカウントはLINE広告と非常に相性の良い施策です。LINE公式アカウントで獲得したデータをLINE広告で活用できたり、双方を同時に使用することで費用対効果の高い広告の実現を達成しやすくなります。
同時にLINE広告の導入も検討してみてはいかがでしょうか。
LINE広告についての詳しい解説は以下のリンクを参考にしてください。
関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
また、LINE公式アカウントやLINE広告は機能が豊富な分、導入はできても、正しく運用できているか不安を感じる場合や、自社で運用することが手間であると感じる方も多いと思います。自社運用が難しい場合は、広告代理店に相談してみるのはいかがでしょうか。
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監修者
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