YouTubeは無料でユーザーが動画を投稿、視聴できる動画プラットフォームです。 2005年よりサービスを開始し、Googleが2006年に16億5,000万ドルで買収してから今日までに目覚ましい成長を遂げました。
2021年11月時点では全世界での月間アクティブユーザー数が20億人を超え、日本だけでも6,900万人に上ります。また、Nielsen DCR Monthly Total レポートによると下記のことが明らかになっています。
日本における 45歳〜64歳の2,500万人以上がYouTubeを視聴していることがわかりました。これはこの世代人口の75%にあたる数字です。
引用:『Think with Google 45歳〜64歳の75%が見るYouTube、幅広い世代で効率よく認知を獲得した「なんぼや」の事例も』
そんな圧倒的母数を持つYouTubeに表示可能なYouTube広告は、Webマーケティング業界では非常に有効な手段として注目を集めています。
2020年以降は新型コロナウイルスの影響で人々の生活スタイルが変化し、在宅時間や巣ごもり需要の増加、スマートフォンだけでなく自宅のTVで家族やパートナーと視聴する方も増えているため、全世代を対象に広告を配信可能な数少ない広告枠という側面を持っています。
今記事では、今後ますます利用者の増加が予想されるYouTubeにおいて配信可能なYouTube広告の効果や注意事項を解説します。
関連記事:『YouTubeアナリティクスで動画を分析するときに注目したい5つの指標』
Contents
YouTube広告について
YouTube広告の特徴
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
YouTubeでは、ユーザーが視聴したい動画を能動的に検索したり、動画再生ページにて関連動画を選択するなど、様々なアクションを起こして動画を見つけます。
そのため広告主は商品やブランドなどに興味があり、既に検索しているユーザーに対して効果的に広告を配信可能です。
中小企業のビジネスに特化した広告最適化ツールを提供するWordStream社の調査によると、平均クリック率はGDNが0.35%、YouTube広告では0.7%を記録。
また平均コンバージョン率はGDNが0.56%、YouTube広告は2.06%といずれの数値でもGDNと比較してYouTube広告は高い効果を示しています。
これらのことからYouTube広告は静止画広告と比較した場合に認知度の向上、コンバージョン獲得といった幅広い広告目的に効果的に対応した広告枠であることが伺えます。
また、YouTube広告の主なメリットは以下になります。
- 視聴者とつながる
YouTube動画の再生中または横に表示される広告によって、印象に残る独特の方法で見込み顧客とつながることができます。直接話しかけたり、専門知識を世界中の視聴者と共有したり、自分でカメラを持って商品またはサービスのメリットを説明したりできます。
- 適切な視聴者にリーチできる
トピック、キーワード、ユーザー属性(「35歳未満の女性」など)に基づいてYouTube のユーザーに広告を表示できます。
- キャンペーンを数分で作成できる
広告アカウントを作成してキャンペーンを設定すると、視聴者にリーチできます。
- 成果を測定できる
適切な視聴者にリーチできているかどうかを把握できます。Google広告アカウントで動画の再生回数、費用、予算の詳細を確認しましょう。YouTubeアカウントで[アナリティクス]タブに移動して、視聴者の詳細を確認します。たとえば、顧客がどの動画をどのくらいの時間視聴しているかを確認できます。
また訴求する商品やブランドへの信頼性を担保する上で重要なのが、広告のアセットである画像や動画です。質の高い素材を広告に使用することで目に留まりやすい、文面に比べて信頼を得やすいなどのメリットがあります。
広告を実際に配信する場合は、事前にYouTubeチャンネルをGoogle広告アカウントに紐づけする必要があります。
2つを繋げることで主に動画の再生回数の確認やチャンネルでのユーザーの操作に基づいて作成されたデータセグメントの閲覧、動画広告の獲得アクション数であるエンゲージメント等の指標をいつでも確認可能です。
関連記事:『動画広告3つの効果!動画広告の制作方法や成功事例まで解説!』
YouTube広告の種類
スキップ可能なインストリーム広告
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
YouTube動画再生ページやGoogle動画パートナー上のWebサイト、アプリ等で配信される、動画の再生前後または5秒経過すると、ユーザーは広告をスキップ出来ます。
短い時間の配信になりますが主に販売促進、見込み顧客の獲得を目的に使用されます。課金方式は広告視聴1回あたりのコストを指すCost Per View(CPV)です。
CPVとは、ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30秒経つ前に動画を操作(クリック、タップ等)した場合に課金される方式です。
関連記事:『YouTubeインストリーム広告とは?6種類やメリット、出稿方法を解説』
スキップ不可のインストリーム広告
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
スキップ可能なインストリーム広告と同様、YouTube動画再生ページやGoogle動画パートナー上のWebサイト、アプリ等で配信される動画広告です。合わせてこの広告は15秒以下の動画広告で、スキップすることは出来ません。
スキップ不可のインストリーム広告は目標インプレッション単価制では、広告表示1,000回あたりに設定した目標単価をベースに、表示回数に基づいて課金されます。
広告を一定時間流せるため、ブランド認知度とリーチの改善を目的に使用されます。
バンパー広告
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
バンパー広告は動画の再生前、再生中、再生後に6秒以内で配信されることが特徴です。
この広告もスキップすることは出来ないほか、スキップ不可能なインストリーム広告と同様、目標インプレッション単価制で広告の表示回数に基づいて課金されます。
6秒間の広告に短くて覚えやすいメッセージを使用することでブランド認知度とリーチの改善を望めます。
インフィード動画広告(旧:TrueViewディスカバリー広告)
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
YouTubeの関連動画の横や、検索結果部分等、ユーザーが検索をかけて動画を探している状態に表示されます。構成要素はサムネイル画像とテキストでユーザーがクリックして広告を視聴した場合のみ課金される制度になっています。
能動的に検索しているユーザー向けに配信出来るため、商品やブランドの比較検討に関する広告を配信するのに適したフォーマットです。
関連記事:『インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の4つの注意点』
マストヘッド広告
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
マストヘッド広告はYouTubeホームフィードの上部で配信される広告です。その特徴はGoogle広告では配信できず、Google営業担当者に連絡して予約することでのみ利用できるという特徴があります。
また予約型の広告のため、広告の表示回数1,000回に対して費用が発生するインプレッション単価(CPM)= Cost Per Mille 制で課金されます。
新商品の認知度向上等、短期間で大規模なユーザーにリーチしたい場合に適したフォーマットです。マストヘッド広告を検討している広告主の方は、Googleの営業担当者に連絡しましょう。
アウトストリーム広告
画像引用:『YouTubeヘルプ 動画広告フォーマットの概要』
音声なしで広告が再生され、ユーザーが広告をタップすることで音声が流れます。唯一のモバイル専用広告でYouTube上では利用できず、Google動画パートナー上のWebサイトに配信される点が大きな特徴です。
また、様々なモバイルの広告枠に表示されるため、より多くの顧客に配信可能な他、モバイル上での動画広告のリーチを特化して伸ばすことを目的に使用されます。
視認範囲のインプレッション単価(vCPM)= viewable Cost Per Milleで広告の面積の50%以上が見える状態で動画再生が2秒以上視聴された時に限り、料金が発生します。
注意すべき5つのポイント
目的別に広告を使い分ける
YouTube広告は複数種類が存在するほか、その配信箇所、再生時間、課金方法等様々です。配信する広告の目的を明らかにし、最も効果的なフォーマットで広告を配信しましょう。
ユーザーがWebで商品を購入する際には、主に3段階のプロセスを踏みます。
まず、広告を見ることで商品を認知します。そこから興味を持った場合は情報を収集するためにサイトに訪れ、商品を購入するか否か比較検討します。
その結果ユーザーの意思決定によって商品を購入され、ユーザーは購入者へ転換します。
3段階のプロセス別に対応する広告の内訳は以下になります。
- 認知…スキップ不可能なインストリーム広告、バンパー広告、マストヘッド広告、アウトストリーム広告
- 比較、検討…TrueView ディスカバリー広告
- 獲得…スキップ可能なインストリーム広告
また予算を視野に入れた調整も重要です。例えば、スキップ可能なインストリーム広告はスキップされると広告料金は発生しません。
そのため商品やサービスに興味のあるユーザーのみに広告を配信できます。
動画冒頭に要点を盛り込む
凸版印刷のグループ会社ONE COMPATHの、2020年12月「5G・動画視聴に関する意識調査」結果によると「どのくらいの視聴時間なら『動画広告』を見ますか?」という質問に対しては、「7~14秒」(35.4%)が最も多く、「6秒以内」(31.1%)、「15~29秒」(21.7%)と続いた。同社は「7秒以上」が7割という結果を踏まえ、「興味・関心・理解が視聴時間にも影響していると考えられる」と結論づけています。
合わせて潜在層に有効なインストリーム広告やバンパー広告は5~6秒間、スキップ不可能で必ずユーザーに配信することが出来ます。
広告の冒頭から7秒の間にその商品の最も訴求したいポイントを魅力的に宣伝することで、長い時間動画を視聴して貰えるため、クリエイティブの質を高めることが重要です。
関連記事:『YouTube広告のABCDフレームワークとは? 5つの海外成功例で解説』
適切なKPIを設定
広告の使い分けや質の向上は勿論のこと、その広告で達成したいKey Performance Indicator/重要業績評価指標(KPI)を設定する事が欠かせません。例えば広告運用で良く用いられる指標の一つにCV数が上げられます。
例えば、CV数を計測する場合、購買意欲の高いユーザーに適しているディスカバリー広告で月に~件を獲得を目標と設定。
広告の予算やユーザーのターゲット、広告のクリエイティブの調整を行いながら数値の改善を目指すことで、広告費をいたずらに浪費せず、効果的な広告の勝ちパターンやノウハウを蓄積することが出来ます。
ターゲットを絞って配信
YouTube広告はGoogle広告と同様に[地域・性別・年齢・好み・キーワード・時間帯・曜日]を設定可能なセグメント機能が搭載されています。
その他にもGoogle広告と連携しているため、より効果の高いユーザーへリマーケティング配信が可能です。圧倒的な母数の中から、自社の商品に関心のあるユーザーをセグメント化(トピック、インタレストカテゴリ、リマーケティング等)を検討し、必要なユーザーに必要な広告を配信しましょう。
関連記事①:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
関連記事②:『【すぐわかる】YouTube広告のターゲティング2種類と使い方を解説!』
広告の効果測定
Google広告には遵守すべき広告ポリシーが存在するため、広告出稿時にはそれぞれYouTubeやGoogle広告のポリシーに準ずるかどうかの審査時間を含めて準備します。
参考:『Google広告のポリシー』
しかし最初は広告が審査落ちしてしまい配信を見送ったり、広告の効果が出ない事も考えられます。そこで重要なのが配信した広告の数値分析と広告の改善です。
例えばYouTubeの無料分析ツールYouTubeアナリティクスを使用することで、広告の効果や改善点を日付ごとにグラフで確認出来ます。
その他Googleアナリティクスでは自動タグを設定することで、クリック数や動画再生時間の割合などの正確なデータを得ることが出来ます。
またGoogle広告ブランド効果測定サービスでは広告の「認知・理解・ブランディング・想起」等、アナリティクスでは測れない効果の測定が可能です。
目的に応じてツールを使い分けつつ、仮説の立案に活用しましょう。
YouTube広告を含むGoogle広告の最適化機能は、機械学習に2~4週間程度かかる所感です。また最適化をしたからといって必ず成果が上がるわけではありません。
アカウント内で行った変更や、季節に関する変動、商品の特性、リンク先の表示速度、競合他社の広告状況によって目まぐるしく市況は変化します。
地道ですが、毎日仮説検証を重ね、目標KPIの達成を目指すことが広告の効果を高める一番の近道ではないでしょうか。
自社のノウハウやリソースに限界を感じる場合は、実績豊富な広告代理店に相談することも有効な方法です。
関連記事:『Google広告のブランド効果測定とは?10ステップで調査開始』
まとめ
世界最大の動画プラットフォームYouTubeで配信する動画広告は日々アクセスされるため、広告の消耗が早く常に効果検証と仮説の立案が欠かせません。
質の高いクリエイティブを作成し、短い言葉で訴求できる動画素材を作ることが重要です。
株式会社Unionは、YouTube広告をはじめとするGoogle広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。