Google広告やYahoo!広告などWeb広告を使用し、商品やサービスをPRしている方であれば、実際にその広告がどれだけ貢献したか計測しながら配信を行うことが可能です。
Google広告では誘導先のサイトにコンバージョンタグを設定し、Googleアナリティクスと連動させることで広告効果を計測することが可能です。
コンバージョンタグの設定方法については以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『Google広告のコンバージョンタグをタグマネージャーで設定する5ステップ』
店舗への来店を促すWeb広告を配信する場合も同様です。
広告によって問い合わせがどれだけ増えたかを確認しつつ広告運用を行います。
しかしながら、コンバージョンタグを設定しWeb上の成果を計測するだけでは、店舗への問い合わせ件数や、コンバージョンとして設定したサイトへの訪問数を計測することはできても、実際の店舗への来店数を計測することはできません。
こんなことでお困りではありませんか。
- 広告が来店に対してどれだけ効果があるのかわからない。
- 来店を促す際、本当に効果的な方法をとることができているのか不安だ。
これらの悩みは、来店コンバージョンを計測することで解決することが可能です。
当記事では、来店コンバージョンを計測するメリットと、計測する際の注意点について解説します。
関連記事:『Googleマップで集客、ローカルキャンペーン!4ステップで簡単配信』
Contents
来店コンバージョンとは
来店コンバージョンとは、Web広告が実店舗への来店にどれだけ貢献しているかを把握するための手法です。
一般的な計測手法では測ることが難しい、よりキャッシュポイントに近い箇所の測定が可能であるため、より正確に費用対効果を把握することができ、効率的な実店舗運営をする際には欠かせない施策です。
参考:『来店コンバージョンとは?計測の仕組みとGoogle 広告での活用方法』
なお、キャッシュポイントとは収益を生み出す機会のことを指し、ユーザーが実際に食事や購入を行うタイミングを指します。
来店コンバージョンを計測するメリット
来店コンバージョンを計測するメリットは大きく2点です。
- 広告を最適化することが可能
- 教師データを獲得可能
それぞれについて解説します。
広告を最適化することが可能
来店コンバージョンを計測することで、よりキャッシュポイントに近い箇所を測定可能です。そのため、来店コンバージョンの改善を測ることで、より売上に繋がりやすい広告を制作することが可能です。
現在、多くのユーザーが店舗に訪問する際、事前にインターネットでリサーチしています。
国内最大級のお買い物スポット情報サイトを運営する株式会社Patheeが4,411人を対象に行った調査によると、1年間(2020年5月から2021年4月)で非日用品を購入する際、事前にインターネットで調べましたか。という問いに対し、77.8%のユーザーが「事前にインターネットで調べた」と回答しました。
引用:『株式会社Pathee、実店舗来店前のネット利用に関する調査を実施』
このように、事前リサーチが習慣化している昨今、来店コンバージョンを参考にし、最適化された広告を用意することは重要です。
教師データを獲得可能
Google広告やYahoo!広告には、自動入札と呼ばれる、掲載者が手間のかかる作業や推測をすることなくAIを用いて広告配信する手法があります。
教師データとは、Google広告を自動入札で配信する際に、AIがより精度の高い広告運用を実現するために判断材料とするデータ(過去の購買状況など)のことです。
- サイトへのアクセスを増やす
- 視認性を高める
- 目標コンバージョン単価でコンバージョンを増やす
など、配信者は目標を設定するだけで他は自動的に最適化が行われます。
中でも、コンバージョンを増やすことや、設定した費用対効果を達成することが目標である場合、スマート自動入札と呼ばれる高度な機械学習を用いた広告運用が行われます。
機械学習を行う際、参考となるデータとして教師データを使用可能です。
教師データありの機械学習では、教師データを既知の情報として学習に利用し、未知の情報に対しても、対応可能な回帰モデル、分類モデルを構築します。
Googleでは、ユーザーのリアルタイムな行動データを教師データとして保持しておくことで、初めて接触するユーザーであっても、教師データから行動予測を行い、最適な広告配信を行います。
参考:『総務省 ICTスキル総合習得教材 3-5:人工知能と機械学習』
参考:『リスティング広告で広告グループを細分化しすぎていない?機械学習されやすいアカウント構成とは』
来店コンバージョンを計測する条件
来店コンバージョンは導入条件が2点あり、これらの条件を全てクリアした場合のみ計測することが可能です。
Googleビジネスプロフィールと連携している
まず来店コンバージョンを計測する場合は、Google広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールを連携する必要があります。
まだGoogleビジネスプロフィールを登録していない場合、以下の記事を参考に、自身の店舗を登録しましょう。
関連記事:『無料の集客方法!Googleビジネスプロフィールの登録方法2ステップ』
また、その際、Googleビジネスプロフィールにおいて以下の条件を満たしておく必要があります。
- オーナー認証
- 対象国内の店舗である
オーナー認証は、リンクしたビジネス情報の9割以上について完了している必要があります。
また、対象国は以下の通りです。
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引用:『来店コンバージョンについて|Google広告ヘルプ』
計測に十分なデータが揃っている
来店コンバージョンの計測は、クリック数、インプレッション数、実店舗への訪問数が十分に揃っている必要があります。
来店コンバージョンは、Googleの持つ匿名のデータに基づいて推定計測されます。
引用:『Googleマップ』
皆さんは、Googleマップにロケーション履歴と呼ばれる機能があることをご存知でしょうか。
ロケーション履歴を許可しておくことで、過去に行った場所を遡ることができ、また、Googleもユーザーの行動を閲覧できるようになります。
来店コンバージョンは、この機能を許可しているユーザーの動向を追跡することで、許可していないユーザーの動向も予想し、来店コンバージョンを導き出しています。
データ数が少ない場合、計測する際に実際に来店した人数とずれが出てしまう恐れがあるため、計測できないように設定されています。
必要なクリック数、インプレッション数、来店数に関して、明確な条件は提示されておらず、Googleが機械学習を行う上で十分なデータが集まったと判断した場合に計測を開始することが可能です。
来店コンバージョンの計測範囲
来店コンバージョンを利用する際におすすめの広告手法
来店コンバージョンを計測する際は、位置情報を使用する広告を使用することを推奨します。
来店がコンバージョンであるため、近くのユーザーに限って配信を行う広告手法を用いることで、効率的に、ターゲットとなるユーザーにリーチすることが可能です。
Google広告を使用し広告配信する際におすすめの広告手法を4つ紹介します。
ローカル検索広告
Google検索や、Googleマップを用いて近隣の店舗を検索した際に表示されます。
現在、ローカル検索で事前にリサーチを行い来訪する割合が高く、Googleの調査によると、スマホユーザーの50%がローカル検索後に店舗に来店していることがわかりました。
引用:『店舗に訪れるモバイルユーザーの50%は、ローカル検索を利用』
このような現状を踏まえ、ローカル検索に対し、広告を配信することは非常に有用な施策です。
ディスプレイロケーション広告
参考:『来店コンバージョンとは?計測の仕組みとGoogle 広告での活用方法』
ディスプレイロケーション広告では、住所表示オプションを用いて広告にローカル情報を開示することが可能です。
住所や地図、店舗までの距離を表示することができ、来店を促すことが可能です。
関連記事:『Web広告の運用でエリアマーケティングを成功させる3ポイント』
ローカルキャンペーン
ローカルキャンペーンを用いた広告配信では、GoogleマップやGoogle検索でのリスティング広告だけでなく、YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク、Gmailに対しても、広告を配信することが可能です。
そのため、意欲的に検索した顕在層のみならず、悩みやニーズに気づいていない潜在層に対しても、YouTubeやGmailなどを使用しリーチすることが可能です。
ローカルキャンペーンでは、ページURL、見出し、説明文、画像、動画、ロゴを一度入稿すれば、機械学習により、自動で最適な配信面を作成し、最適化されたユーザーに対し広告を配信します。
専門知識がなくても、簡単に広告を作成することが可能であるため、始めやすい広告になっています。
引用:『ローカル キャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
関連記事:『Googleマップで集客、ローカルキャンペーン!4ステップで簡単配信』
ローカル在庫広告
引用:『ローカル在庫広告の概要|Google Merchantヘルプ』
店舗付近のユーザーが探している商品をGoogle検索すると、在庫のある実店舗が表示されます。実際に店舗に訪問することなく、在庫状況を把握できるため、ユーザーの負担を軽減できます。
また、「後日店舗受取可」機能を使用することで、オンラインで予約し、後日受け取りに行くなどといった機能を追加することも可能です。
配信先 | 特徴 | |
ローカル検索広告 |
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ディスプレイロケーション広告 |
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ローカルキャンペーン |
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ローカル在庫広告 |
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来店コンバージョンが計測される条件
検索広告では、クリックはもちろん、インプレッションに関しても、ビュースルーコンバージョンとして計測されます。
インプレッションは画面内に広告の50%が1秒以上表示された場合に計測されます。
また、動画広告は以下の条件を満たした場合に計測されます。
- 30秒以上の動画であれば、30秒以上の再生
- 30秒未満の動画であれば、動画の再生を完了
- 動画をクリック
来店コンバージョンの活用事例
Panasonicの事例
来店コンバージョンを計測、活用し、成功した企業の1つに大手家電メーカーのPanasonicがあります。
Panasonicでは、検索結果から、Googleビジネスプロフィールに至るまでの動線を意識した改善を行い、広告表示に対し、5.6%のユーザーの来店を実現しました。
実店舗への訪問を促す際、店舗の場所や電話番号などが記載されているGoogleビジネスプロフィールは動線として欠かせません。
広告だけでなく、広告に連携しているビジネスプロフィールも最適化を心がけましょう。
引用:『【インターネット広告/プロモーション運用支援】パナソニック株式会社さま』
高島屋の事例
老舗百貨店である高島屋では、長い間オンライン集客に関して不安を感じていました。
1997年にスタートしたeコマースサイトが実施するオンライン広告はあるものの、高島屋の実店舗への来訪を促すオンライン広告は上手に活用できずにいました。
ある時、オンラインストアを訴求するオンライン広告に対し、来店コンバージョンを計測したところ、広告に接触した方の15.6%が実店舗へ来店していることがわかりました。
結果、オンライン広告が集客に対し、効果的であることがわかり、高島屋は各店舗でオンライン広告を推進するようになりました。
来店コンバージョンを計測することで、何が効果的で、価値の少ない広告はどれかを判断することが可能です。
高島屋のように、とりあえず計測することで、今まで見えなかった効果が見えることもあります。
計測準備が完了した場合、ひとまず計測し、結果を確認することも広告を最適化する上では重要なのかもしれません。
まとめ
来店コンバージョンは店舗を運営する方が効率的に広告を運用するために非常に重要な施策です。
手動で設定を行い、広告を運用する場合も、参考となるデータを得ることができますし、自動入札で広告を運用する場合であれば、教師データを確保することができるため、機械学習の精度を高めることにつながり、効率化された広告運用を行うことが可能です。
また、広告運用する際は、条件を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
Googleビジネスプロフィールへの同期はもちろん、必要最低限のデータを確保できるように、ビジネスを大きくする必要があります。
Google広告で来店コンバージョンを計測する場合であっても、4種類計測可能な広告手法があり、特に、ローカルキャンペーンでは、簡単に広告配信できるため、初心者の方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、当記事を読んで、来店コンバージョンの計測が難しいと感じた方は、広告代理店に頼むことも手段の1つです。
株式会社Unionは、検索連動型広告をはじめとするGoogle広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
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監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。