本記事では、下記について解説します。
- YouTube広告の特徴
- ABCDフレームワークについて
- ABCDフレームワークを用いた海外事例
こんな方におすすめです。
- YouTube広告を検討している方
- YouTube広告のメリットを知りたい方
- ABCDフレームワークの仕組みを知りたい方
- ABCDフレームワークについての成功事例を知りたい方
関連記事:『YouTube内にディスプレイ広告を出すための8ステップを解説!』
Contents
YouTube広告の特徴
ユーザー数が圧倒的に多い
新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で、自宅で過ごす時間が増え、動画配信サービスや動画共有サービスを利用する人が増えました。その流れを受けてYouTubeも動画サービス利用者の74% が「利用が増えた」と回答しています。これは他のオンラインプラットフォームの平均と比較すると3倍以上です。
上記の現状からみると、YouTube広告が、いかに数多くの人に見られるチャンスがあるかということが分かります。
この点は、YouTube広告を利用する大きなメリットと言えるでしょう。
無駄なコストが不要
YouTube広告には複数の課金システムがあります。その中には、広告がクリックされて、企業サイトへ移った場合のみ、料金が発生するという仕組みがあります。
広告の種類によっては、ユーザーが途中で広告をスキップした場合、広告料が発生しません。そのため、無駄なコストの発生を避けることができます。
関連記事:『YouTube広告の広告効果は?注意すべき5つのポイントを解説!』
参考:『YouTube広告の効果とは?メリットとデメリットを解説』
ターゲットを絞れる
YouTubeのプラットフォームは、各ユーザーの地域、年齢、性別、好みといった情報を保持しています。そのような情報を基にしたターゲティングによって、より効果的なWEBマーケティングが可能になります。
関連記事:『【すぐわかる】YouTube広告のターゲティング2種類と使い方を解説!』
参考:『YouTubeの広告動画の種類や特徴!広告を出す方法&メリットとは?』
ユーザーを企業の自社サイトへ直接誘導可能
自社サイトへ直接的に誘導する機能は、TVCMなど従来のマス広告にはないものです。
ユーザーはすぐに商品やサービスの詳細情報に触れることができます。商品購入やサービス利用の検討をしてもらうきっかけとなります。
参考:『【2021年9月更新】YouTube広告とは?広告配信目的やYouTube広告の種類を徹底解説』
興味をもつユーザーを追跡可能
ターゲティングできるユーザーは、YouTube動画広告を一定時間以上視聴した人や、特定の動画を視聴した人など、さまざまな場合が考えられます。
一度広告に興味を持ったユーザーに再度広告を見せることで、訴求力を高められるというメリットがあります。
もちろん何度も同じ広告を見せると、不快感をもたれてせっかくの広告効果を減少させてしまう可能性もあります。
その逆効果を避けるために、はじめに広告を出す目的について、しっかりと決めておくことが重要です。
例えば、まだ購入したことのないユーザーへ、新規顧客用の広告を配信します。一度購入した後に再度広告を見せる場合、リピート購入用の広告を配信します。
参考:『YouTube広告の効果とは?メリットとデメリットを解説』
このように魅力的なYouTube広告ではありますが、ただ出稿するだけでは思ったような効果は得られません。
実はYouTube 広告を作成する際にGoogleに推奨されているABCDフレームワークがあります。
それを知っておくと、効果的な広告に含まれているコツが徐々に見えてきます。
関連記事:『YouTubeアナリティクスで動画を分析するときに注目したい5つの指標』
ABCDフレームワークとは?
ABCDフレームワークとは、以下の4つで構成されるフレームワークです。
- Attract :視聴者の関心を引き込む
- Brand :視聴者にブランドを認知してもらう
- Connect :視聴者の感情をブランドの内容と結びつける
- Direct :目標客層に対して明確に行動を促すフレーズを提示する
それぞれ解説していきます。
Attract(視聴者の関心を引き込む)
Attract:視聴者の関心を引き込む
- 構図:商品か人物かにかかわらず、被写体をアップで使用する。
- ペース:冒頭5秒間に 2つ以上のショットを入れる。
- 人物:人物を登場させる場合は、その人物を映した場面から始める。また可能であれば、その人物から直接視聴者に語りかける。
引用:『コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する』
視聴者が広告の冒頭をやり過ごして、すぐにスキップし、他のページやサイトへ移ってしまわないように、広告の作成者は工夫しなければなりません。
関連記事:『【業界別】サービス紹介動画の成功事例14選!動画の作り方まで解説』
Brand(視聴者にブランドを認知してもらう)
Brand:視聴者にブランドを認知してもらう
- 紹介:冒頭 5 秒間で商品やブランドを紹介することで、すべてのブランド指標とプラスに相関。
- 強調:ロゴの表示は重要。どのような表示方法が効果的かは、マーケティング目標によって異なる。
- 位置:ロゴの表示位置は中央から左。YouTube のインターフェースを考慮すると、この位置が目線を誘導しやすく、ブランドを訴求できる。
引用:『コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する』
単に企業名や商品名を視聴者に覚えてもらうために、繰り返しアピールすればいいわけではありません。社名やロゴの表示の位置やタイミングも考えて効果的に行う必要があるのです。
Connect(ストーリーと視聴者を結びつける)
Connect:ブランドストーリーと視聴者の感情を結びつける
- 惹きつける:ブランドに合った、(アクション、ユーモア、好奇心などの)感情に訴える手法を活用する。
- 関連付ける:人物をストーリーの中心に据える。広告の冒頭に人物を登場させると、視聴者を引き込むことができ、感情的なつながりを築ける。
引用:『コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する』
広告は様々なコンテンツ(写真、動画、音楽、イラスト、キャッチコピー、ロゴマークなど)を用いてストーリーを伝えられる媒体の1種類です。ストーリーを上手く利用して自社と視聴者を結びつけましょう。
なお、YouTube広告には、宣伝自体は可能でも法的根拠など表現に制限があるコンテンツがあります。具体例として、下記のようなもの挙げられます。
- アダルト表現、きつい下ネタ
- 暴力表現
- 差別
- ヘイトスピーチ
- 著作権違反など
YouTube広告を作成する際に、制限付きのコンテンツなどにも気を付けましょう。
参考:『広告のポリシーの概要』
Direct(望むアクションを視聴者に提示する)
Direct:ブランドが望むアクションを視聴者に対して明確に提示する
- 提示する:テキストカード、シンプルなアニメーション、ナレーションなどを使って、オファーや行動を促すフレーズを提示。
- 動機付ける:「期間限定」「数量限定」「無料モニター」など、切迫感やお得感を与えるオファーを行う。
- 行動を促す:具体的な「行動を促すフレーズ」(「ウェブにアクセス」「お申し込み」「今すぐ購入」など)を使用したり、検索バーを追加したりして、行動を起こさせる。
引用:『コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する』
視聴者との繋がりが上手くできていても、そこから先の行動喚起などの要素を充実させなければなりません。
例えば広告の最後に「今すぐ購入」、「期間限定」、「無料体験」などのフレーズをつけることによって、視聴者は気に入った商品を「すぐに手に入れたい!」と思いたくなるでしょう。
YouTube広告は、人物やもの、文字、音声、図形などの要素でできています。
したがって、広告作成者は、それらの要素を駆使して、如何に広告の対象者に伝えればいいかを考える必要があります。
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
ABCDフレームワークを用いた海外事例
では実際にABCDフレームワークが用いられたYouTube広告の海外・成功事例を5つ紹介します。ポイントも説明に加えていますので、是非YouTube広告を検討・制作する際に参考にしてください。
映画の宣伝広告
この広告は、2013年に公開された名作ホラー映画「キャリー」の宣伝用の広告です。
(超常現象に興味ある人、ホラー映画好きな人、サラリーマンやOLなど)より幅広い人々に対して、「キャリー」という映画の上映情報を伝えることを目的にした広告です。
動画再生回数は、約7620万回です。Good数は53万となっており、多くの高評価を獲得していることが分かります。
この広告が注目されている理由の一つは、ABCDフレームワークの「Connect」が上手くできたからだと言えます。
まず撮影先を日常的で馴染み深い場所の喫茶店にしています。この設定によって、動画はサラリーマンやOLだけでなく、より幅広い視聴者にとって共感しやすいものになっています。
さらに超能力を発動した少女をストーリーの中心にしたことで、超常現象に興味ある視聴者も引き込むことができ、感情的なつながりを築けていると思います。もちろん認知度への効果も実現できています。
それだけでなく、動画の最後に「キャリー」という映画名が中央に表示されています。これはABCDフレームワーク「Brand」のメソッドも使われていることが分かります。
最後に映画の上映スケジュールも具体的に提示され、視聴者の行動を促す効果も果たせているでしょう。
これは、ブランドが望むアクションを視聴者に対して明確に提示する「Direct」のテクニックです。
ダヴの3分間広告(ボディソープ)
この広告は、2013年に公開されたダヴの広告です。
ダヴ (Dove) は、パーソナル・ケア(トイレタリー)製品のブランドで、製品が35か国以上で販売されております。
女性に対して「あなたは自分が思うよりもずっと美しい」というポジティブなボディイメージを伝えることを目的にした広告です。
動画再生回数は、約7000万回です。Good数は18万となっており、多くの高評価を獲得していることが分かります。
この広告は「リアルビューティー スケッチ」という大胆な実験を通して作られています。まず参加者の多くは女性です。
それによって、女性の視聴者にダヴ会社のブランドメッセージを伝えるときに、説得力も高まってきています。
次に広告の内容は女性がいかに自分の美しさを過小評価しているかという3分間の動画です。
自分の容姿に自信のない80%の女性に対して、この広告は即座に共感を呼び起こす内容になっています。
上記の2点からみると、ABCDフレームワークの「Connect」が上手くできた広告の1つとも言えます。
視聴者との繋がりが上手くできた上で、視聴者に伝えたいメッセージを最後にまとめて強調されています。
それによって「ダヴ」というブランドへの理解が深まるでしょう。さらに広告の最後に会社のロゴが表示されています。ブランド効果も一層に強調できています。
これはABCDフレームワーク「Brand」のメソッドも使われていることが分かります。広告の最後にブランドのアクセス先も提示されています。
それによって、視聴者にさらにこのブランドを知ってもらいたいと伝わります。
これはABCDフレームワークのウェブへのアクセスを追加したりして、行動を起こさせる「Direct」に当てはまります。
関連記事:『インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の4つの注意点』
GoProカメラの広告
この広告は、2013年に公開されたGoProカメラの広告です。
勇敢で好奇心のある人、動物好きな人などに対して「英雄になれ」というブランドのメッセージを伝えることを目的にした広告です。
動画再生回数は、約4,500万回です。Good数は55万となっており、多くの高評価を獲得していることが分かります。この広告が世界中から注目を集めた理由がいくつかあります。
まずは消防士がGoProのカメラの助けを借りて、子猫を救いながら勇気と思いやりを示しています。
逆に言うと、GoProの製品を使用することによって、彼の英雄的な行動が成し遂げられました。それは、GoProカメラの性能を宣伝することに繋がりました。
冒頭のGoProの宣伝フレーズ「Be a HERO」と感情的にも繋がっています。ブランドストーリーと視聴者の感情を結びつけている手法なので、これはABCDフレームワークの「Connect」に当てはまります。
それだけでなく、このYouTube広告はGoProというブランドも強調できています。なぜなら、ブランド効果を実現するために、この広告では最初の5秒間と最後の5秒間で画面の中央にロゴも強調されているからです。
これはまさにABCDフレームワークの「Brand」に気を配ったところです。
OK Goの広告(ミュージックビデオ)
この広告は、2016年に公開されたミュージックビデオの広告です。
音楽好きで革新的なものも好きな人などに対して、OK Goバンドが制作した「Upside Down & Inside Out」というミュージックビデオを伝えることを目的にした広告です。
OK Goは、1999年より活動しているアメリカのロックバンドです。革新的なビデオで人気が高まっています。
この動画は、OK Goバンドが無重力で作った初めてのミュージックビデオでした。広告制作はすべて、ロシア上空にて実際の飛行機内で撮影されたようです。その飛行回数は21回にも及びました。
このビデオでは、最初の7秒間で注意を引き付ける文言が流れます。これは、ユーザーの好奇心を湧き立たせる狙いでしょう。その後、4人のバンドメンバーが横並びで座っている映像に切り替わります。
これは、人物を中心に据える「Attract」のテクニックです。「OK Go」のバンド名も紹介されています。ABCDフレームワーク「Brand」の「紹介」のメソッドが使われています。
この広告は、これまでに2400万回のYouTube視聴回数&28万回のGood数を記録し、多くの高評価を獲得していることが分かります。認知度の向上が成し遂げられています。
さらにOK Go が利用したS7エアラインも同時にブランドの認知度が高まっています。
関連記事:『YouTubeインストリーム広告とは?6種類やメリット、出稿方法を解説』
Michelob ULTRAの広告(ビール)
この広告は、2020年に公開されたビールの広告です。
ビールを飲む人、あるいはビールを飲みたい人に対して、Michelob ULTRAという商品を伝えることを目的にした広告です。動画再生回数は、約880万回です。
この広告の最初のハプニングを見たときに、好奇心が湧いたのではないでしょうか。冒頭に 2つ以上のショットを入れるのはまさに、ABCDフレームワーク「Attract」の「ペース」の手法です。
さらにブランドの名前が最初だけでなく、ストーリーの中でも繰り返し表示されています。ABCDフレームワークの「Brand」が上手くできているといえます。
ビールと言えば、不健康で太りやすいようなイメージがあります。しかし、このビールの広告では、全ての場面がスポーツに関連して展開されています。
つまり、スポーツを通して、爽やかで健康的な商品であるというメッセージを伝えているわけです。
「ビールが好きだけど、太りやすいから……」と迷っている人は、この広告を見て少し不安が解消できるのではないでしょうか。
それにより視聴者との繋がりを築くことができ、購買意欲を刺激することに繋がります。これはABCDフレームワークの「Connect」を素晴らしく応用した例の一つです。
まとめ
YouTube広告の種類、特徴はそれぞれ違います。しかし、成功事例から見えたポイントを動画制作やマーケティング運用に活用すれば、ユーザーにアクションを起こさせる広告を作り出せるでしょう。
YouTube広告は現在も毎日更新を続けています。継続的に成功事例をまとめることで、より効果的な広告マーケティングができるのではないかと思っております。
この記事を読んで、YouTube広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、制作会社に任せるのも一つの手です。
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監修者
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