「SEOライティング」は、自社のコンテンツをGoogleやYahoo!などの検索結果の上位に表示するために欠かせないテクニックです。
テクニックと聞くと、難しい印象を抱く方も多いでしょう。
しかし、SEOライティングは「ユーザー」と「検索エンジン」にとってわかりやすい記事を作るというとてもシンプルなものです。
「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンには、それぞれSEOや広告に関する方針や規定が定められています。
参考:『Googleが掲げる10の事実』
参考:『Yahoo!広告ヘルプ』
そこで今回は、SEOライティングで知っておきたい基礎知識を徹底解説します。
「自社のページを上位に表示させたい」「SEOライティングを始めるにあたり、必要な知識を効率良く身につけたい」という方は必見です。
関連記事:『5分でわかるSEM!SEOとリスティング広告の違いと使い方を解説』
Contents
SEOライティングとは?
SEOライティングとは、WebコンテンツをGoogleやYahoo!などの検索結果の上位に表示させるための文章作成を指します。
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」、つまり検索結果に自社のWebサイトを上位に表示させるための施策です。
このことから、SEOを意識した文章作成は「SEOライティング」と呼ばれます。
自社でコンテンツを作成するメリットについては、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:『オウンドメディアでコンテンツを資産に! 目的と6つのメリットを紹介』
SEOライティングでは、実際に記事を読む「ユーザー」と記事を表示させる「検索エンジン」の2つの目線が欠かせません。
ユーザー目線
SEOライティングで大切なのは、ユーザーファーストです。
ユーザーが求めている情報が網羅されているか、ユーザーによって読みやすい記事であるかが、最重要事項とされています。
コンテンツを作る際は、「ユーザーが何を知りたいのか」を念頭におきましょう。
Google社の方針を示す「Googleが掲げる10の事実」においても、冒頭の第一項目に「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」というユーザーファーストの考え方が示されており、ユーザー目線を最重視していることが読み取れます。
引用:『Googleが掲げる10の事実』
検索エンジン目線
Webコンテンツは、検索エンジンがWeb上を巡回(クローリング)することで発見されます。
クローラーは、発見したコンテンツを検索エンジンのデータベースに登録(インデックス)します
このステップを経てはじめて、Webページは検索結果に表示されるようになります。
重要なのは、クローリングでサイトが読み取られる際に、「何について書かれているサイトであるか」を明確に伝えることです。
そのためには、キーワードの適切な配置やHTMLタグの活用が欠かせません。
一般的にはSEO=Google対策
一般的にSEOライティングは、Googleのアルゴリズムを意識して行われます。
アイルランドのStatcounter社が発表したデータによると、2020年7月〜2021年7月の期間における日本での検索エンジンのシェア率は下記の結果でした。
PCのシェア
Google:77%
Yahoo! :14%
Bing:8%
引用:『Statcounter「Desktop Search Engine Market Share in Japan – March 2022」』
スマートフォンのシェア
Google:75%
Yahoo!:25%
引用: 『Statcounter「Mobile Search Engine Market Share in Japan – March 2022」』
日本の検索エンジンのユーザーの7割以上がGoogleを利用していることがわかります。
また、2011年以降は、Yahoo!はGoogleと同じ仕組みの検索エンジンやアルゴリズムを使用しているため、GoogleのSEO対策がそのままYahoo!での成果にもつながります。
SEOライティングの手順
SEOライティングでは、下記の手順で記事を作成します。
- 対策キーワードの選定
- ゴールの設定
- 記事の構成
- 本文の執筆
各ステップについて解説します。
対策キーワードの選定
SEOライティングは、特定のキーワードで検索したユーザーに対して、検索意図に合致したコンテンツを提供するのが基本です。
まずは、何について知りたいユーザーをターゲットにするのかを設定し、自社のメディアに適切なキーワードを選定します。
キーワードを探す際は、Google広告が提供する「Googleキーワードプランナー」などのツールの活用がおすすめです。
メインのキーワードに関連する語句や、それぞれの検索ボリュームなどを確認でき、SEO対策をするキーワードを選定するのに役立ちます。
こちらは〈30代〉〈転職〉で関連ワードをGoogleキーワードプランナーで調査した際の画面です。
大量に表示される候補の中から、自社にマッチするものを選びましょう。
なお、上位表示には、SEOライティング以外にサイトのドメインパワー(検索エンジンからの信頼度)や内部構造などの影響も大きいため、立ち上げて間もない時期は検索ボリュームの大きいキーワードで上位表示をさせるのが難しい場合がほとんどです。
そのため、複数のキーワードを組み合わせることをおすすめします。
例えば、「転職」というキーワードに「30代」「営業」などを掛け合わせることで、検索するユーザーの数は絞られますが、上位表示させやすくなります。
ゴールの設定
Webコンテンツは、ただ読まれるだけで終わりではありません。
ユーザーの行動を喚起し、自社のメリットにつなげることが大切です。
SEOライティングでは、あらかじめ記事のゴール(目的)を設定し、そこに誘導できるような導線を作りましょう。
ゴール設定の例
- スキンケアの方法について解説した記事・・・ECサイトに誘導
- 求人の探し方のコツを教える記事・・・転職サイトへの会員登録
- Webデザイナーの仕事内容を紹介する記事・・・Web制作スクールの資料請求
コンバージョンタグを設定しておくことで、ページの成果を測定できます。
コンバージョンタグについては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:『Google広告のコンバージョンタグをタグマネージャーで設定する5ステップ』
記事の構成
キーワード、ゴールが決まれば、次は記事の構成を練ります。
構成を考える際に最も大切なのは、ユーザーの知りたい内容を網羅することです。
ユーザーの検索意図をつかむために、実際に上位に掲載されている記事をリサーチしましょう。
現在上位に掲載されている記事は、「ユーザーのニーズに応えている」と検索エンジンから評価されている記事です。
そのため、上位記事に目を通すことでユーザーの悩みや知りたい内容を効率良く把握できます。
記事は、大見出しで大枠を作り、中見出し・小見出しを使って細分化する形で構成します。
見出しを読むだけでも記事に何が書かれているのかを把握できるのが理想的です。
たとえばこの見出しは、下記の構成で作られています。
SEOライティングの手順
- 対策キーワードの選定
- ゴールの設定
- 記事の構成
- 本文の執筆
見出しを読むだけで、 大枠の内容を把握していただけるのではないでしょうか。
また、上位記事をリサーチする際に、内容と合わせてチェックしたいのが記事の文字数です。
文字数については諸説ありますが、ユーザーが知りたい内容を網羅している上位表示のページは概ね文字数が多い傾向にあります。
記事を作成する際、検索結果表示1位のページの文字数を超えるように基準を設定しておくと良いでしょう。
関連記事:『【SEOとコンテンツマーケティング】2つの違いとは?各施策を解説』
本文の執筆
完成した構成に沿って、本文を執筆します。
SEOライティングで心がけたいのは、簡潔で読みやすい文章です。
GoogleやYahoo!で特定のキーワードを検索するユーザーの多くは、調べものをしています。
そのため、ほしい情報をシンプルに解説する記事が評価されやすいのです。
PREP法などを用いて、結論が伝わりやすいロジカルな書き方を心がけましょう。
PREP法とは
PREP法とは結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の構成で展開する文章のフレームを指します。
要点を簡潔に伝えやすいため、Webコンテンツで多く用いられています。
SEOライティングを成功させる9つのポイント
SEOライティングで上位表示を狙う場合に押さえておきたい9つのポイントについて解説します。
執筆中はもちろん、文章が完成した後のチェックリストとしてもぜひ活用してください。
なお、新しく立ち上げたメディアでSEO対策に効果が現れるまでには、おおよそ半年〜1年程度の時間が必要です。
ご紹介する施策を網羅しながら、コツコツを記事数を増やしていきましょう。
タイトルのつけ方
検索エンジンがコンテンツの内容をクローリングする際に、最も重視されるのが記事のタイトルです。
コンテンツに何が書かれているのかを端的に示す必要があります。
そのため、記事のキーワードはタイトルに必ず入れましょう。
タイトルの長さは28〜32文字が目安です。
これ以上長くなると検索結果に最後まで表示されないため、注意が必要です。※検索エンジンの仕様変更により文字数に変動あり
検索キーワードは、なるべくタイトルの冒頭に入れるのが望ましいとされています。
冒頭に重要な語句を入れることで、検索エンジンに記事の内容を把握されやすくなります。
また、ユーザーがPCやスマホの画面をスクロールする際、タイトルの冒頭(左端)にキーワードが配置されていると、 視覚的に目に止まりやすいというメリットがあります。
たとえば、当メディアでも記事のタイトル文字数は32文字以内と定めています(下記画像参照)。
キーワードのほかに、「◯選」などの数字を入れることで、端的に記事の魅力を伝えられるようにタイトル作成を行っています。
引用:『Union Media』
ディスクリプションで内容を簡潔に
ディスクリプションとは、記事のタイトルとともに検索結果に表示される文章を指します。
PCとスマホで表示される文字数に違いがあり、PCで130文字程度・スマホで80文字程度です。※検索エンジンの仕様変更により文字数に変動あり
SEOの表示順位を左右するものではないものの、ページの概要について説明することで、クローラーとユーザーにコンテンツの内容を訴求できます。
未設定の場合は検索エンジンによって文章が自動生成されますが、 コンテンツ内容のメリットをアピールするためにも、手動で設定することをおすすめします。
例として、この記事のディスクリプションをご紹介します。
冒頭にKWを配置するほか、重要な要素はスマホでも表示される文字数内に収めています。
共起語を盛り込む
共起語とは、特定のキーワードと同時にWeb上で使用される頻度が高い語句を指します。
たとえば、「転職」というキーワードの共起語は「求人」「エージェント」「企業」「キャリア」「転職サイト」などが該当します。
SEOライティングでは、ユーザーが知りたい内容を網羅していることで検索エンジンから高く評価されます。
そのため、共起語を可能な限り記事に使用することで、網羅性の高いコンテンツであると判断される可能性が高まります。
しかし、共起語をもれなく入れようとするあまり、不要な文章を盛り込んだり、不自然な言い回しになってしまっては本末転倒です。
コンテンツの目的とかけ離れた内容の共起語を無理に使う必要はありません。
共起語をリサーチする際は、「ラッコキーワード」などのWebツールを使用します。
ラッコキーワードでは、検索の上位に表示される20サイトの文章を分析し、共起語を抽出する機能を備えています。
共起回数や出現したサイト数などを一目でチェックできるので、ぜひ参考にしてみてください。
上記は、ラッコキーワードで「転職 30代」の共起語を抽出した画面です。
参考:『ラッコキーワード「共起語取得ツールの使い方」 』
一文一義でシンプルに
ユーザーにとって読みやすいコンテンツを提供するためには、簡潔で読みやすい文章作成が必要です。
前述のPREP法に加え、一つの文章に一つの内容だけを入れる「一文一義」を意識しましょう。
次の文章を読み比べてみてください。
- ユーザーにわかりやすい文章を届けるために大切な「一文一義」とは、一つの文章に一つの内容だけを入れる書き方で、SEOライティングの際にぜひ心がけてほしいテクニックです。
- ユーザーにわかりやすい文章を届けるためには、「一文一義」を心がけましょう。一文一義とは、一つの文章に一つの内容だけを入れる書き方を指します。SEOライティングの際に有効なテクニックです。
一文一義で書かれた後者の方が読みやすいと感じる方が多いでしょう。
指示語をなるべく使わない
SEOライティングでは、指示語をなるべく使わずに文章を作成しましょう。
検索エンジンのクローラーは、「これらの」「このような」「そういった」などの指示語を正確に理解できません。
指示語を多用した文章は、検索エンジンに正しく内容が伝わらない可能性があるため、必要最小限に抑えることを心がけてください。
HTMLタグを使いこなす
HTMLタグは、コンテンツの構造を検索エンジンに伝え、正しい理解を促す役割を果たします。
SEOライティングの際はHTMLタグを使い分け、クローラーが内容を把握しやすいページを作る必要があります。
ライティングにあたり、知っておきたいタグについてまとめました。
<h1>〜<h6>タグ | 見出しタグ。<h1>→<h2>→<h3>の順番で読み取られるため、必ず数字の順番で配置する。 |
<b> , <strong> | 文字を太字にする |
<ul>, <li> | 箇条書き |
<blockquote> | 引用タグ。他サイトや文献から引用した箇所に使用する。 |
<table> | 表を作成する際に使用。強調スニペット(※)で表示されやすくなるメリットも。 |
<alt> | 画像の代替テキストタグ。画像検索で上位表示されやすくなるメリットも。 |
ビジュアルで理解度を深める
簡潔な文章を作成しても、延々と文字ばかりが続くページはユーザーにとって読みやすいものとは言い難いでしょう。
画像や図表、動画などのビジュアルを盛り込み、ストレスなく読み進められるコンテンツの作成を心がけてください。
とくに、文章だけで理解か難しい内容は、ビジュアルで補足をしてユーザーをサポートすれば、満足度が高まります。
画像を挿入する際は、前述の画像のaltタグ(画像の代替テキスト)を設定し、検索エンジンに画像内容を伝える手順も欠かさないようにしましょう。
E-A-T(専門性)を高める
SEOでは、ユーザーのほしい内容の網羅と同時に、記載されている情報の専門性の高さも評価基準として設定されています。
Googleが示す専門性の高さの指標として「E-A-T」が示されています。
E-A-Tとは、専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)の3点です。
専門性(Expertise)
あれもこれもと幅広く手を広げるよりも、分野を絞って発信するサイトやコンテンツのほうが「専門性が高い」とみなされ、評価される傾向にあります。
たとえば、「ファッション関連のコンテンツを発信するメディア」なら「アラサー向けファッション」「ビジネスマン向けメンズファッション」などターゲットを限定することで専門性が高まるでしょう。
権威性は、誰がその情報を発信しているのかという部分に目が向けられます。
特定分野の専門家が執筆や監修をしたコンテンツは権威性が高いとみなされます。
医療に関する記事なら医師や看護師、金融関係の記事ならファイナンシャルプランナーなど、専門家の肩書や資格は、権威性の担保に一役買ってくれます。
また、サイト自体の権威性も重要です。
コンテンツの質や量、被リンクの量、運営会社名の明記といった要素も、権威性の高さの判断材料になります。
信頼性(Trustworthiness)
ユーザーにとって信頼に値する情報が掲載されているかどうかが判断されます。
信頼性を高めるための方法としては、運営元の会社情報の詳細やメディアの指針などを明示するのが有効です。
他から情報を引用する際は、官公庁をはじめ、専門性や権威性が高いサイトを利用しましょう。
独自性を盛り込む
SEOでは、ページにオリジナリティがあるかどうかも評価基準の一つです。
検索エンジンは、クローリングの際に競合ページにはない要素が盛り込まれているかをチェックしています。
独自性を出すためには、自社にしかない一次情報を加えたり、ほかのサイトではみられない画像や動画を掲載するといった方法があります。
前述のE-A-Tでも触れた、専門家によるコメントや監修などを加えることで、リサーチだけでは作り出せない独自性の訴求効果も期待できます。
そのほか、実験や現地調査の結果のようなリアルな情報も、他のサイトでは読めないメリットとして価値を生むでしょう。
まとめ
SEOライティングは、「ユーザー」と「検索エンジン」の両方に伝わりやすいコンテンツの作成が求められます。
ユーザーファーストを重視しつつ、検索エンジンに記事の内容が伝わりやすいよう、タイトルや構成、タグの挿入などを行いましょう。
一般的に、ゼロベースで始めたSEOの施策が効果を発揮するまでにはおおよそ半年〜1年程度の時間が必要です。
地道にコンテンツを増やし続けることで、徐々に成果が現れます。
そのため、マーケティングの施策として、SEOと並行し、Web広告の運用をすることをおすすめします。
株式会社Unionでは、GoogleやYahoo!の検索と連動するリスティング広告や、Instagram、TwitterなどのSNS広告をはじめ、幅広いサービスを取り扱っています。
また、広告やコンテンツの遷移先であるLP(ランディングページ)の制作までお任せいただける点も好評をいただいております。
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監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。