「LPの効果を高めるにはペルソナ設定が大事」
と一度はこのような話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、
「どのように設定したらいいのかわからない」
と思われる方も多いと思います。
そこで、今回はペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイントを解説します。
関連記事:『ファーストビューとは?LPの直帰率を改善する6つのポイントとは』
Contents
ペルソナとは?
「ペルソナ(persona)」とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。
「ペルソナ」とは元々はラテン語で古代ローマの古典劇において演者が身につけていた「仮面」のことをいいます。
心理学では他人に対してみせる表面上の人格を表す意味として用いられますが、マーケティングにおいては自社商品やサービスの架空のユーザーのことを指します。
参考:『ペルソナ設定の方法を知ればマーケティングのやり方が変わる!』
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナと似た意味の言葉に「ターゲット」があります。
この2つの言葉は混同されがちですが、人物像の設定をどれだけ深くするかが大きく異なります。「ターゲット」よりも「ペルソナ」の方が、より深く詳細に人物像を設定します。
意味 | 設定する目的 | |
ターゲット | 顧客になってほしい特定のセグメント層 | マーケティング資源を集中させるため |
ペルソナ | 商品やサービスの象徴的な仮想ユーザー | ユーザーを深く理解して潜在ニーズをとらえるため |
また、設定する目的においても、ターゲットでは「マーケティング資源を集中させるため」となります。
一方、ペルソナでは「ユーザーを深く理解して潜在ニーズを捉えるため」となります。
上記のように、どちらもユーザーを表す言葉ではありますが、設定する目的においても大きく異なります。
また近年はライフスタイルの多様化により、顧客のニーズが予測できなくなり、根底にある価値観や行動特性などを把握することが難しくなりました。
そこでペルソナの設定を行うことによって「たった一人の人物」を想定し、その人物に深く刺さるマーケティングを行うことが重要視されるようになってきております。
そのため、LP(ランディングページ)、商品、サービスなどあらゆるマーケティングにおいてペルソナ設定は必要となります。
参考:『「ペルソナ設定」って何?顧客ターゲットを絞りこむ3つのメリット』
ペルソナ設定による成功例
ペルソナ設定によって成功した例を紹介します。
クラフトビール会社のヤッホーブルーイングの製品「水曜日のネコ」は「ビールを飲まない層」をターゲットに販売をしました。
その戦略が見事にヒットし、ヤッホーブルーイングは大手5社に次ぐ全ビール企業の6位に大躍進しました。そのキーポイントとなったのが、徹底的なペルソナです
以下が、「水曜日のネコ」のペルソナとなります。
《コンセプト》
「資生堂TSUBAKIな女性が仕事終わりにOFFタイムでリセットするビール」
- 30歳前後の女性。
- 責任感ある仕事をバリバリこなすOL。
- 独身または既婚、子供はいない
- 休日は朝からヨガ
- 住んでるところは東急東横線、東京メトロ日比谷線沿線
- お酒や美味しいものが好き
- ファッションや持ち物にこだわりが強い。
- 家に帰ったらお酒を飲んで素になる。それが次の日の活力。
- おしゃれで自立した女性が憧れるリーダー層
- 週の真ん中で一息つきたい
- 好きなものは「ネコ」
ヤッホーブルーイングの井出社長は、読売オンラインの取材に対し、
「ネーミング、味、デザイン、プロモーション。全部含めて、振り切るくらいコアターゲットに絞り込んで、初めてヒットすると思いますよ。
逆に多くのビールファンに飲んでもらうように大きいマーケットを意識してやると、まる~い、なんの特徴もない、誰でもすぐにまねできるような製品になるんです。」
と明かしています。
関連記事:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!』
成功例からわかるペルソナの設定の重要性
成功例からわかるように、ペルソナは何のために設定するのかというと、「顧客理解」です。
企業視点ではなく、顧客視点のマーケティングを可能にするのがペルソナの特徴です。
「水曜日のネコ」の例のように、ターゲットを狭く設定したことで、コアな女性に高く評価され、きちんと狙った人物へ響かせることに成功しました。
また、そうした女性像に憧れている層にも支持されています。
このようにユーザーの心の奥底にある、潜在ニーズ、本音などを徹底的に理解するためにペルソナを設定する意味があります。
LP制作においても、デザインセンスや文章力などに目が行きがちですが、最も大切な考えは「ユーザーから見てどうか」という視点です。それをロジカルに実現できるのがペルソナのメリットです。
ユーザー目線での商品・サービスの精度が上がる
一般的な30代女性へ商品、サービスを届けるとなると、無難なものになりますが人物像を理解したペルソナへはピンポイントで刺さるものになります。
このように1人の架空のユーザーである女性の好みや行動パターンを徹底的に分析することで自社のLP、商品、サービスがよりユーザーにとって精度の高いものになるのです。
加えて、「どんなアプローチが好まれるか?」「いつ情報発信をすればユーザーに届きやすいか?」なども想定しやすくなります。
関連記事:『LPのキャッチコピーで簡単にユーザーを惹きつける5つのポイントとは』
一貫してブレないコンセプトが明確になる
ペルソナを設定することでチーム全体でペルソナに対するイメージが共有でき「たった一人の人物を満足させる」というコンセプトが明確になります。
時間やコストの削減になる
ペルソナをチーム全体で共有することで認識のズレで生じる無駄な擦り合わせ作業や時間を省くことができます。
具体的なペルソナを設定すれば認識違いを避けることができ、スムーズな目標設定を行えます。
ペルソナの作り方(3ステップ)
下記はBtoC向けペルソナ設定時に必要となる要素の例となります。
- 写真
- 名前
- 年齢、性別、住んでいるところ
- 仕事(仕事内容、役職)
- 生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間)
- 最終学歴
- 価値観、物の考え方
- 今課題と感じていること
- 恋人、配偶者の有無、家族構成
- 人間関係
- 収入、貯蓄
- 趣味
- インターネットの利用状況
上記の項目だけ見ても、何を根拠に考え、どこから手を付けたら良いか戸惑うかと思います。
そこで、以下の3ステップに分けて作る手順を解説します。
- ステップ① データを収集する
- ステップ② 骨格、肉付けをする
- ステップ③ 検証する
参考:『ペルソナとは?マーケティングを成功させる設定手順と使い方|バズ部』
ステップ① データを収集する
まず、ペルソナを作る最初のステップとして、データを集めることです。
これはペルソナを理想や思い込みで作らないために必要な工程です。データを収集する際には以下を参考にしてみてください。
- 過去のユーザー調査
- 顧客データ
- お客様アンケート
- Q&Aサイトの投稿(Yahoo!知恵袋、教えてgooなど)
- SNSの投稿(Twitter、Instagram、Facebookなど)
また、お客様アンケートを取る際には調査対象の規模、許容誤差(母集団の実態からどれくらいずれている可能性があるかを表す指標)に応じて、必要なサンプル数は異なります。
必要なサンプル数 | 母集団 |
384人 | 100万人 |
383人 | 10万人 |
370人 | 1万人 |
278人 | 1000人 |
80人 | 100人 |
例えば、顧客数が1万人規模で、許容誤差5%の場合、必要なサンプル数は370人となります。
このように信頼性の高いアンケートを実施するためには、母集団と許容誤差などによってサンプル数は変わってきます。
参考:『アンケート調査で必要なサンプル数とは?算出する際のポイントは?』
顧客データや、お客様の声などのデータが不足している場合は、Q&Aサイト、SNS投稿、アンケートがおすすめです。特に、TwitterやInstagramはユーザー数も多く、リアルタイムで情報を収集することができます。
また、アンケートフォームを作成し、お客様のデータを取る方法の一つとして、無料で始められるGoogleフォームがおすすめです。
Googleが提供する、フォーム作成サービスで、Googleのアカウントがあれば誰でも作成が可能です。
リアルタイムで、集計結果をGoogleスプレッドシートに反映することが出来るため効率的に集計が取れます。
参考:『Googleフォーム-アンケートを作成』
繰り返しになりますが、ここのステップで重要なのは、実在するデータからペルソナを設定していくことです。
データに基づいた架空の人物を作ることで、信頼できるペルソナが出来上がります。
関連記事:『アンケートLPの活用方法とは?設問の作り方と3つのメリットを紹介』
ステップ② 骨格、肉付けをする
- 行動属性(趣味は?休日の過ごし方は?消費傾向は?など)
- パーソナリティ(性格は?価値観は?)
- 生活パターン(起床時間は?通勤時間は?)
- 今課題と感じていることは?
ここのステップでは、「まるで実在する人物のように」ペルソナを仕上げることです。
名前をつけ、写真やイラストなどのビジュアルを設定し、収集したデータを根拠にリアルな人物像を作っていきます。
例えば以下のように、「たった一人の人物」を設定していくといいでしょう。
ステップ③ 検証する
ここのステップでは間違いのないペルソナへ設定できているか、チェックすることです。
例えば、顧客と接することが多いコールセンタースタッフ、営業担当の方などにペルソナの検証をしてもらうのも一つの手です。
もし可能であれば、作成したペルソナに近い方などにペルソナを評価してもらうと良いでしょう。
ここで重要なのは、ペルソナが作り手の独りよがりなものになっていないか、客観的な視点でチェックすることです。
ペルソナを設定する上での3つのポイント
ペルソナの設定ですが、精度が低ければ効果的ではありません。
先ほどの3ステップでも紹介した内容と重複する点もありますが、ペルソナを作成・活用する上で注意したいポイントを紹介します。
- 先入観や思い込みを入れない
- 「自社の理想像」にしない
- 製作後も改良を重ねるため、定期的に見直す
先入観や思い込みを入れない
ペルソナを作成する上で注意したいのが、先入観や思い込みです。
数字で表せない「定性的」な情報からペルソナを設定しようとすると、ターゲットに関して勝手なイメージや希望を反映しがちです。
しかし、マーケティング担当者のイメージでつくられたペルソナでは、実際に商品やサービスにかかわる顧客像とかけ離れてしまいます。
正確で納得感のあるペルソナを作成するためにも、SNS、インターネット上の口コミなどからデータを収集し、合理的な根拠に基づいたペルソナを設定しましょう。
参考:『【ペルソナとは】ターゲットとの違いやペルソナ設定のメリット・設定方法』
関連記事:『【企業向け】Twitterのフォロワー数を増やすためのポイント9選
「自社の理想像」にしない
ペルソナを、自分たちにとって都合がいい理想のユーザー像にしてしまうことは失敗例としてよくあります。
ペルソナとは、本当に実在するユーザーのデータを根拠として、そのデータを仮想ユーザーという人物像に変換したものです。
そのため、自社に都合のいいデータばかり反映させたり、企業の既存製品ありきのペルソナになっていたりすれば、現実の消費者のニーズとかけ離れてしまいます。
ペルソナは、あくまで「企業視点」ではなく、「顧客視点」をベースに考えるという点を忘れないようにしましょう。
参考:『今さら聞けない「ペルソナ」とは。意味やマーケティングでの活用方法、作り方も解説!』
製作後も改良を重ねるため、定期的に見直す
ペルソナは実際に存在する人物像をリアルにイメージして作成していますので、参考にしているユーザーの環境、ライフスタイルも常に変化します。
ペルソナがずれてしまっていては、ターゲットの心をつかむアプローチができません。
作成したらそのままではなく、顧客やユーザーの動向に目を向け、定期的にブラッシュアップしていく必要があります。
過去のデータを使うということは、そのデータと同じ時期の顧客像を再現することになります。
最新のデータを使用してペルソナを設定しなければ時代錯誤な顧客像が出来てしまいます。
つまり、データ(SNS、インターネット上の口コミなど)が更新するたびにペルソナは更新しましょう。
参考:『マーケティングで重要なペルソナとは?』
まとめ
今回はペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイントついて解説しました。ユーザーのニーズが多様化している現代で成果をだすためには、ニーズを的確に把握できなければいけません。
そこで、ペルソナ設定の考え方は必要となります。ペルソナ設定は簡単なものではありませんが、適格な設定ができれば効果を高めることが可能です。
また、LPの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
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