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LPとは
LP(ランディングページ)とは、検索やリスティング広告などをクリックした際に表示されるページのことです。
広い意味では訪問者が最初に訪れたページがLPですが、Webマーケティングの分野においては、通常のWebページと異なり多数の目的を持たず、基本的にコンバージョン(Conversion、CV)のみを追求するページのことを指します。
LPは商品やサービスの広告効果を高める際に非常に有用です。インバウンドマーケティング及びセールスのソフトウェアを提供するアメリカHubspot社の調査では、全業界の平均コンバージョン率は9.7%と発表されています。
業種や扱う商品・サービスを問わずユーザーの関心を惹くLPは、情報を更新しコンバージョン率を高めることで、顧客化可能なリードとの接点を大きく増やすことも可能です。
参考:『ランディングページの効果を裏付ける、11のデータ』
関連記事:『WordPressで簡単!すぐできるLP(ランディングページ)入門!6種類のテーマ紹介』
LPO(ランディングページ最適化)とは
LPO(Landing Page Optimization)とは「ランディングページ最適化」と呼び、ユーザーが検索エンジンなどから最初に訪れるページを改善することです。
LPをユーザーニーズに合わせて最適化し、ページのコンバージョン率(CVR)を上げるマーケティング手法を指します。
最適化を図れば「商品・サービスの販売」「資料請求の件数増加」「登録会員の増加」など、企業が求めるCVRを高めることが可能です。
CVRを上げるためのLPOですが、取り組む前に重要なことがあります。
それは、「定期的に効果測定を行う」ということです。
「デザイン性が向上した」「見やすくなった」など運営側が思っていても、ユーザーに届かない限り、CVRが下がる可能性はあります。常に改善前と改善後のCV数や直帰率といったデータを計測・比較して、最もいい結果を出した施策を残していくことが重要です。
効果測定の簡単な方法については、下記記事を参照ください。
関連記事:『Googleデータポータルでアナリティクスレポートを作る3つのメリット』
SEOとLPOの違い
SEOは、検索エンジンからサイトに訪れるユーザーを増やすため、自社サイトを上位表示させるために行う対策のことを指します。
具体的には、特定のキーワードで上位表示されるように、ユーザーに必要とされるコンテンツを作成することや、外部リンクを増やすことなどで、Googleからサイトの評価を高めるなどの施策を行うことを指します。
ユーザーにサイトに訪れてもらうまでがSEOであり、LPOはユーザーがWebサイトに訪問してからを対象とした施策になります。
また、SEOは施策が長期化する傾向があります。効果が現れる期間についてはGoogleも公表しておりませんが、半年もしくは1年スパンで施策を続けるのが通常です。
その点LPOは、早ければ2週間程度のテストで変更箇所が良くなったかどうかの結果が分かります。
参考:『SEO対策とは|検索上位を独占する36の対策手順』
関連記事:『5分でわかるSEM!SEOとリスティング広告の違いと使い方を解説』
EFOとLPOの違い
EFOとは「Entry Form Optimization」の頭文字をとったもので、「入力フォーム最適化」、「エントリーフォーム最適化」という意味を持つ用語です。
EFOは、LPOの一種ということになります。LPOがサイト全体の改善を指すのに対し、EFOは特に申し込みフォームの入力完遂率を高めるために、フォームを改善する施策の事を指します。
Webサイト上で買い物や資料請求、会員登録などをする際に、個人情報を入力する必要がありますが、入力を完了せず、途中でやめてしまうユーザーは多くいます。
そこでフォームを自動入力に対応したり、入力項目自体を少なくするなど、ユーザーにとって入力しやすいフォームをつくることが重要になります。
EFOはサイトのコンバージョン率を改善する上で非常に重要な施策です。サイトの訪問数が変わらなくとも、フォームを最適化することでコンバージョンを増加させることができるため、短期間で大きなインパクトを与えられるため、費用対効果が高い施策と言えます。
関連記事:『EFO(入力フォーム最適化)とは?CVRを改善する6つのポイントとは』
サンシャインスカイブライダルのEFO事例
マーケティング会社MarTechLabが、水族館結婚式を行うサンシャインスカイブライダルで手掛けたEFO事例を紹介します。
既存の予約・お問い合わせフォームに対し、離脱に繋がるリンクを削除する、入力項目数を絞るなどの改善を行った結果、フォームCVRが2.25%から44.74%にまで改善しました。
引用:『MarTechLab|【保存版】問合せを劇的に増やすエントリーフォーム最適化(EFO)15の方法』
参考:『【用語解説】EFOとは?顧客がストレスなく入力できるフォームのポイント』
LPOを行う手順
いざLPOをはじめようと思っても、既存のLPの何を見て洗い出せばよいのかわからないことも。

そこでLPOを行う手順を以下のようにまとめました。
問題点を洗い出す
まずは、現在のLPの問題点を洗い出します。
問題点を洗い出すということは、改善するべきポイントはどこなのかを明確にすることです。
Googleが提供しているアクセス解析ツール「Google Analytics」では、以下のような項目について具体的な数値を見ることが可能です。
- 流入元(検索ワード、Web広告等)ごとのアクセス数
- PV数(ページが閲覧された数)
- CVR(コンバージョン率)
- CTR(クリック率)
- 直帰率(サイト全体の訪問数のうち1ページ目のみ訪問して離脱した確率)
例えば、改善したいことをCVR(クリック率)とした場合、
「ユーザーが求めている情報が適切に配置されているか」
などに注目しながら、LPの問題点を分析していく流れとなります。
仮説を立てる
なぜそのような問題が生じているのかという仮説を立てます。
原因が見えてくるとどのようなLPO対策を施すべきかが明確になるので、しっかりと検証する必要があります。
例えば、40代の男性をターゲットにしたゴルフクラブの広告を配信している場合でCTR(クリック率)が低いときには、
- ユーザーが求める情報をきちんと伝えることができてないのではないか
- 広告のリンクとリンク先の内容の整合性が取れていないのではないか
- 40代男性向けの商品なのに、LPのデザインがマッチしていないのではないか
など、問題点によって様々な仮説を考えることができます。
改善策を考え検証する
仮説を立てたら、その仮説から問題点を解決するための改善策を考えます。
- ユーザーが求める情報をきちんと伝えることができてないのではないか
→ユーザーのニーズに合うようなテキスト情報や画像、イラストを使用する - 広告のリンクとリンク先の内容の整合性が取れていないのではないか
→広告で使用しているキーワードやフレーズをLP内でも使用する - 40代男性向けの商品なのに、LPのデザインがマッチしていないのではないか
→色やデザインなどを見直す
のような改善策が考えられます。
続いて、改善策を考えたら、その改善策を検証していく必要があります。一定数のユーザーが流入するまで分析、効果測定を行います。
そして、効果が高いパターンを残していくことで、最適なLPを作成していきます。
LPOの分析に用いるツール
アクセス解析ツール(Google Analytics)
Google Analyticsは、Googleが提供するアクセス解析ツールです。無料で利用でき、Googleが提供するあらゆるサービスとの連携で分析と施策の連動をシームレスに行えます。
Search consoleとの連携で検索キーワードの把握や、インプレッション数が把握できるため、直帰率などとかけ合わせてページを評価することが可能となります。
フィルタやセグメント機能でセッション単位やユーザー単位でカスタムセグメントを構築したり、ユーザーがコンバージョンのきっかけになったページや検索を特定してレポート作成を行えるなど、目標到達のプロセス分析をサポートします。
特徴
- 豊富なレポート機能でユーザー行動を詳しく把握できる
- ユーザー属性や予測分析機能によって、分析の精度を向上させる
- 多数のGoogleサービスと連携し分析と施策の効率的な連動を実現

Google Analyticsは無料で利用できるため、多くの企業で使われているアクセス解析ツールです。
LPOツール(Google Optimize )
Google Optimizeは、Googleが提供するツールです。管理画面から手軽にA/Bテストを設定することができます。他にもGoogle広告などの連携で、さらに高度なテストの実施が可能。
A/Bテスト、リダイレクトテスト、多変量テストの3つのテストを無料で利用することができ、さまざまな条件に合わせテストを繰り返し行うことでユーザーエクスペリエンスを継続的に改善することができます。
特徴
- 専門知識不要で誰でも手軽にABテストの実施ができる
- 他のGoogle製品との連携でより高度な分析が可能
- 導入から実施まで完全無料で利用可能なABテストツール

LPOは課題の分析やテストに地道な作業が必要となります。
上記ように無料の便利なツールを使うことがおすすめです。
関連記事:『GoogleオプティマイズでA/Bテストする方法とよくある3つのテスト例』
ヒートマップツール(Clarity)
ClarityはMicrosoft社が無料で提供しているヒートマップツールです。無料であるにも関わらずデータ分析はほぼリアルタイムで表示され、アカウントあたりのサイト数の制限もなく、トラフィックの制限もないため大規模のウェブサイトでも使用することが可能です。

Clarityは無料にも関わらず十分に使える機能を備えているヒートマップツールです。詳しくは下記の記事をご参考ください。
関連記事:『無料ヒートマップツール「Clarity」の使い方と4つの特徴』
LPOの改善ポイント5選
ファーストビューを改善する
ファーストビューとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスではじめに視認する情報(動画、キャッチコピー、写真等)を指します。
Webサイト改善ツールを提供しているSiTestの記事によると、LPのファーストビューで直帰してしまう割合は80~90%あると発表されています。
参考:『ランディングページの直帰率はどれくらいが適正?改善方法と考え方について解説』
直帰率とは、1ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値の事です。
つまり、すべてのセッションの中で、ユーザーが1ページのみ閲覧して、Googleアナリティクスサーバーに対するリクエストを1回のみ発生させたセッションが占める割合のことです。
リンク内容とリンク先のファーストビュートとの整合性が低いと、直帰率が高くなると言えます。
そのため、ファーストビューの時点でいかにユーザーニーズにその商品・サービスが、ユーザーに興味を持たせられるかが重要なポイントになります。
引用:『びんむすめプロジェクトキャンペーンサイト』
例えば、日本ガラスびん協会では、ファーストビューで様々なビンの写真を流し、キャッチコピーとロゴを目立つように添えてあります。
関連記事:『ファーストビューとは?LPの直帰率を改善する6つのポイントとは』
A/Bテストを活用する
引用:『GoogleOptimizeヘルプ』
LPOに取り組む際に必須で実施してほしいのがA/Bテストです。
A/Bテストとは、2つ以上のパターンを用意し、訪問してくるユーザーにそれぞれ割り振ってテストをすることです。その結果で、どちらがよりCVRやCTRが高い成果を得られるのかを知ることができます。
成果が得やすいデザインの傾向などが明確になり、PDCAの精度も上がるため必須で入れて欲しい施策です。
パーソナライズされたLPを用意する
LPO(ランディングページ最適化)において重要なのが、ターゲットユーザーの確立です。
自社の商品のユーザー層を地域や年齢、性別やライフスタイルなどでグループ分けし、自社商品の売り上げや認知に最も効果がありそうなグループをペルソナ設定します。
ペルソナ設計が誤っている、または仮説の精度が低いと、LPOの施策そのものが的外れなものとなってしまい、CVR向上が見込めません。
訴求ポイントの異なる広告を複数用意し、LPも複数用意する「パーソナライズ」も有効な施策です。
例えば、ユーザーの地域に合わせて季節の衣料品を宣伝したり、優良顧客には配送料を無料にしたりすることが考えられます。

パーソナライズを行うことで、ユーザーが探しているものを簡単に見つけられるようにして、リピーターを獲得できるようになります。
ユーザーがどの訴求ポイントに心惹かれて広告をクリックしたのかを意識してユーザーごとにパーソナライズされたLPを用意することで、コンバージョン(CV)の増加も期待できます。
参考:『Optimize ヘルプ』
関連記事:『アンケートLPの活用方法とは?設問の作り方と3つのメリットを紹介』
LPをスマートフォン表示でも最適化する
現在、インターネットを使用するユーザーは、パソコンよりもスマートフォンからアクセスする方が多いです。
総務省の2020年通信利用動向調査によると、2020年の端末別インターネット利用率は「スマートフォン」が「パソコン」を18.3%ほど上回っています。
そのため、LPはパソコン表示だけでなく、スマートフォン表示にも最適化を同時に行う必要があります。
参考:『都道府県別インターネット利用率及び機器別の利用状況(2020年)』
関連記事:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!』
CTA(Call to Action)を改善する
CTA(Call To Action)とは、Webサイト上でユーザーのクリックを促し、アクションを完遂(コンバージョン)してもらうためのボタンです。このCTAボタンの色や配置を変えることでCVRが上がる場合もあります。
LP全体のデザインに対して色調などのバランスが取れているのか、その中でもひと目でわかるボタンになっているのかなど気にしながらデザインする必要があります。
ただし、効果をあげられる具体的な方法はLPにより異なります。分析ツール「Google Analytics」を使用すると、CTAのクリック率を把握することが可能です。分析と改善によって自社サイトの効果的な方法を見つけだすことが重要となります。
引用:『ぺらいち』
例えば、サイト作成サービス『ぺらいち』ではイメージカラーの水色に対して、登録ボタンはオレンジ色となっています。こうすることでユーザーの目にも登録ボタンが目に入りやすくなります。
関連記事:『CTAを改善する方法とは?コンバージョンを高める4つの簡単な方法』
まとめ
本記事では、LPO(ランディングページ最適化)の基礎知識や改善ポイントを解説しました。効果をあげられる方法はLPによって様々です。
そのため、日々の分析と改善を適切に行うことによって、自社サイトの効果を高めていくことが必須です。
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監修者
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