近年YouTubeチャンネルを開設してYouTubeでプロモーションをする企業が増えています。
2016年に179億回だった企業チャンネルの視聴回数が、2020年には437億回と、5年間で2.44倍にまで膨らんでいます*1。
しかし時間とお金をかけて動画を作ったのに、ほとんど視聴されずチャンネル登録者数も増えないという悩みを抱えているマーケティング担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
動画の視聴数とYouTubeチャンネル登録者数を増やす施策の1つとして、YouTube広告を利用して自社の動画を宣伝するという方法があります。
YouTube広告には複数の種類があり、最もメジャーなものがTrueViewと呼ばれるYouTubeのサイト上に掲載される広告形式です。
TrueViewには複数の種類がありますが、この記事ではそのなかの一つ、インフィード広告(旧:TrueViewディスカバリー広告)を利用してYouTubeチャンネル登録者数を増やすときに気をつけるべきことと実際の活用事例をご紹介します。
関連記事:『YouTube広告のABCDフレームワークとは? 5つの海外成功例で解説』
Contents
インフィード広告とは?
最初にインフィード動画広告の特徴と広告出稿方法について解説します。
インフィード動画広告の特徴
インフィード動画広告は、YouTubeの検索結果や関連動画など、ユーザーがYouTube上で動画を探しているときに表示される広告です。
インフィード動画広告はバナー広告の仕組みに近く、ユーザーが広告をクリックすることで初めて動画が再生されるため、関心度の高いユーザーに視聴してもらいやすいことが特徴です。
また、広告がクリックされなければ広告費は発生せず、広告動画は自分たちのチャンネルを通じて配信されるためチャンネル登録につながりやすいというメリットもあります。
主に以下の3カ所に広告が表示されます。
- YouTubeの検索結果画面
- YouTube動画の再生ページ
- YouTubeモバイルアプリのトップページ
YouTubeの検索結果画面
検索結果に出るインフィード動画広告では、サムネイル画像、広告見出し、チャンネル名、動画視聴回数が表示され、他の動画よりもページの上に表示されるため目に留まりやすくなります。
YouTube動画の再生ページ
パソコンの広告表示例
スマートフォンの広告表示例
関連動画では、他の動画と同様のフォーマットでサムネイル画像、広告見出し、チャンネル名、動画視聴回数が表示されます。
YouTubeモバイルアプリのトップページ
マストヘッド広告(YouTubeのトップページ画面に掲載される広告)が表示されない場合、代わりにインフィード動画広告が表示されます。YouTubeモバイルアプリで視聴時のみ表示されます。
インフィード動画広告の出稿方法
インフィード動画広告を出稿するまでに必要な手順を大まかに解説します。
- 広告用の動画を用意し、YouTubeにアップロードする
- Google広告アカウントから広告を作成
- 広告の配信設定を行う
関連記事:『【業界別】サービス紹介動画の成功事例14選!動画の作り方まで解説』
広告用の動画を用意し、YouTubeにアップロードする
広告に使用する動画を用意し、宣伝したいYouTubeチャンネルにアップロードします。動画は以下の仕様で作成する必要があります。
- ファイル形式: AVI、ASF、QuickTime、Windows Media、MP4、MPEG(推奨動画コーデックは H.264、MPEG-2、または MPEG-4、推奨オーディオ コーデックは MP3 または AAC)
- 解像度: 640×360(16:9)または 480×360(4:3)を推奨
- フレームレート: 30 fps
- アスペクト比: レターボックス表示しない、そのままのアスペクト比(例: 4:3、16:9)
- 最大ファイルサイズ: 1 GB
関連記事:『YouTube内にディスプレイ広告を出すための8ステップを解説!』
Google広告アカウントから広告を作成
YouTube広告はGoogle広告から出稿できます。Google広告アカウントにログインし、左メニューの「キャンペーン」を選択、下図の「+(プラスボタン)」をクリックします。
プルダウンメニューが表示されるので、その中にある「+新しいキャンペーンを作成」という項目をクリックします。
続いてキャンペーンで達成したい目標を選択します。
インフィード動画広告のみ運用する場合は「目標を設定せずにキャンペーンを作成する」を選びます。
次に画面に表示されるキャンペーンタイプの選択では「動画」を選びます。
キャンペーンのサブタイプの選択で「カスタム動画キャンペーン」を選択、「続行」をクリックします。
全般設定の項目をご自身の目的に合わせて設定しながら、ページ最深部にある動画広告を作成するで「新しい動画広告」をクリックします。
新しい動画広告というウィンドウが新たに表示されるので、そのなかにある「インフィード動画広告」を選択、その後表示される「お客様のYouTube動画」に①でYouTubeにアップロードした動画のURLを入力します。
URLを入力した動画の情報が表示されるので、広告に出したい動画であることを確認し、サムネイル、広告見出し、説明文、広告名を設定します。
設定後「完了」をクリックすることで広告審査が始まります。審査が通り次第、広告がYouTubeに掲載され始めます。
インフィード動画広告を活用する際の注意点
YouTubeチャンネル登録者数を増やすために実際にインフィード動画広告を活用して分かった4つの注意点をご紹介します。
サムネイル画像が重要
最初からユーザーに広告動画を視聴させるバンパー広告やTrueViewインストリーム広告とは違い、インフィード動画広告はサムネイル画像と広告見出しが広告として表示されます。
そのため、ユーザーに広告動画を見てもらうためにはサムネイル画像をクリックしてもらう必要があります。
つまり、サムネイル画像のクオリティが重要になります。魅力が伝わらないサムネイル画像を使用した場合、広告を出しているにも関わらず広告動画があまり視聴されないことも十分にありえるのでターゲット視聴者の目にとまるサムネイル画像を用意しましょう。
自分と似た動画を投稿している人気YouTubeチャンネルのサムネイル画像をベンチマークしてクリエイティブを研究すると良いでしょう。
収益化条件の総視聴時間にカウントされない
2021年9月時点、YouTubeで収益化するためにはチャンネル登録者数1,000人以上および公開動画の総再生時間4,000時間以上という基準を満たさなければなりません。
広告として視聴された動画は総再生時間にカウントされないため、収益化を目的として広告を出稿する場合は注意が必要です。
なお、広告から流入したユーザーが同じチャンネルにある別の動画を見た場合は再生時間にカウントされます。チャンネル登録については広告として視聴された動画から登録が行われた場合でもカウントされます。
広告を使って収益化条件を達成するためには、広告動画から流入してきたユーザーにチャンネル内の別の動画も見てもらえるよう誘導することがポイントです。
一例として、再生リストを作成したり、動画内に関連動画のリンクを掲載するなどが挙げられます。
低評価やネガティブなコメントがつくことがある
視聴者のなかには広告に対して良い印象を持っていない方も少なからず居ます。
インフィード動画広告はユーザーがサムネイル画像をクリックしなければ動画が流れない仕組みなのでユーザーが動画を見るかどうかを任意に選択できますが、それでも低評価を押されたりネガティブなコメントを書かれることも起こりえます。
インフィード動画広告では広告を届けたいユーザーの年齢や性別、好みなどを選択できるので、このようなネガティブなアクションを防ぐために本当に見てもらいたいユーザーにのみ視聴されるよう適切な広告配信設定をすることが大切です。
広告の評価が低いとリーチが減る
動画が視聴されることを第一と考え、とにかく注目をひくために動画の内容とまったく関係のないサムネイル画像を用意することを考える方もいらっしゃるかもしれませんが、これはオススメしません。
インフィード動画広告も含めてGoogle広告では広告の質が高いほど広告費が下がりリーチが増える*2ようになっているため、注目を集めるサムネイル画像によって広告がクリックされても、動画そのものが評価されなければ広告費が増大します。
低評価や悪意のあるコメントがつく可能性も高まりYouTubeチャンネル全体の評価が悪くなることによって関連動画や検索結果への露出機会が減ることになるかもしれません。広告には適切なサムネイル画像と動画を使用しましょう。
関連記事:『YouTube広告の広告効果は?注意すべき5つのポイントを解説!』
インフィード動画広告の運用事例と数値実績
私たちは自社で登録者2万人以上のYouTubeチャンネルを運用しています。そのチャンネルの登録者数を増やすことを目的としてインフィード動画広告を実際に利用した例を紹介します。
YouTubeチャンネルのジャンルはエンタメ系の漫画動画であり、広告に使用した動画は2本です。以下の表は実際のGoogle広告の画面をキャプチャーしたものです。
チャンネル登録CPAは以下の結果となりました。
動画B:150.2円 (費用424,272円/チャンネル登録2,824人)
TOTAL:175.8円 (費用1,105,353円/チャンネル登録6,287人)
広告配信開始直後は自社のYouTubeチャンネルによく訪問してくれる層(25~34才男性)に絞って配信をしたことによりチャンネル登録CPA50円前後で獲得できましたが中盤からリーチが伸び悩み徐々にセグメントを広げていった結果、上記数値に落ち着きました。
YouTubeでは、視聴者を増やすために関連動画やブラウジング動画からの流入をいかに増やせるかがポイントですが、これらを増やすためにはYouTubeチャンネルに視聴ユーザーのデータを蓄積する必要があります。
そのためYouTubeチャンネルを開設した当初は視聴ユーザーのデータがなく露出機会が少ないために苦労することが多々あります。
この打開策として、TikTokやTwitterなどを利用して外部からユーザーを呼び寄せる方法がありますが、外部SNSのコミュニティがない場合はYouTube広告を活用してユーザーデータを蓄積することは有効です。
1つの成功事例をご紹介します。当時チャンネル登録者数が1,000人にも満たないYouTubeチャンネルで、動画の投稿日から2日間、インフィード動画広告を活用して動画を1,728PV宣伝しました。
これによってユーザーデータが蓄積され、数日後には関連動画とブラウジングの露出が急激に増えて動画公開1カ月後には100万PVを突破しました。
このように、ちょっとしたキッカケを与えることで動画とYouTubeチャンネルが大きく成長することがあります。
関連記事:『YouTubeアナリティクスで動画を分析するときに注目したい5つの指標』
しかし、前述の通り広告配信をする際には適切な視聴者ターゲティングをして、適切なサムネイル画像と動画を用意しなければ、視聴ユーザーにネガティブなアクションをされてYouTubeチャンネルの評価が悪くなるリスクもあります。
そのため、広告を活用する際には配信戦略をしっかり考えてから実施しましょう。
関連記事:『【すぐわかる】YouTube広告のターゲティング2種類と使い方を解説!』
まとめ
以上が、インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の注意点です。
もしYouTube動画広告を活用してYouTubeチャンネル登録者数を増やすことや商材の販売促進を目的とした広告運用で気になることがありましたら広告代理店に相談するという手もあります。
弊社では成果にこだわる広告動画制作というサービスを展開しております。
TikTok広告やYoutube広告などのSNS動画広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
自社のYouTubeチャンネルに100万円以上の投資をして得た知見とアフィリエイト商材の広告動画を運用し着実に実績を積み上げている経験を生かして全力でサポートします。
監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。