皆さんは店舗運営やイベントを開催する際、どのような手段で集客しているでしょうか。
求人や物件情報など様々な面で飲食店をサポートする飲食店.COMが飲食店の経営者、運営者402名を対象に行なったアンケートでは、集客目的で行ったことのある施策は以下のようになりました。
引用:『飲食店の集客施策にまつわるアンケート調査を実施。効果的な方法はやはりSNS?』
チラシを配布し集客する方法や、Web広告を活用する方法など手段は様々ですが、どれも手間と時間がかかります。
チラシは効果測定が難しく、またWeb広告は知識が必要であることから、集客方法に困っている方も多いのではないでしょうか。
手間をかけず、簡単に広告を配信する方法の1つにGoogle広告のローカルキャンペーンがあります。
広告見出しやURLなど限られた項目を記入するだけで広告配信することが可能です。
当記事では、簡単に最適化された広告を配信可能なローカルキャンペーンについて紹介します。
関連記事:『Google広告の来店コンバージョンとは?計測する2つのメリットを紹介』
Contents
ローカルキャンペーンとは
Googleのローカルキャンペーンとは、実際に店舗運営をしているユーザーが集客を目的として使用する広告です。
Googleの機械学習を活用し、広告を最適化し配信するため、配信者が広告運用について試行錯誤する必要がなく、広告に関する知識がない方でも、簡単に効率的な広告配信を行うことが可能です。
参考:『ローカル キャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
ローカルキャンペーンを使用するメリット
ローカルキャンペーンは導入も運用も手間がかからない点以外にもたくさんのメリットがあります。
豊富な掲載先
- Google検索ネットワーク
- Googleマップ
- YouTube
- Googleディスプレイネットワーク
- Googleビジネスプロフィール
- Gmail
ローカルキャンペーンでは、上記した6種類のGoogle関連サイトに広告を配信することが可能です。
Google検索ネットワーク
ビジネス情報や店舗に関連するキーワードが使用された際に表示されます。
配信先のGoogleは検索エンジンの中で使用率が最も高く、日本では、75%以上のシェア率を誇っています。
そのため、Google検索ネットワークに広告を掲載することで多くのユーザーに対しリーチすることが可能です。
引用:『検索エンジン一覧と世界・日本それぞれの市場シェア率トップ5を紹介』
Googleマップ
Googleマップで店舗を検索したタイミングや、店舗のある地域で検索を行なった場合にユーザーと店舗のマッチングを促します。
Googleマップの使用率は地図アプリの中で最も高く、ネットリサーチを行うマクロミルが2021年3月18日から3月20日までの3日間で全国の10代から50代330人を対象に行なった調査では、87.0%のユーザーがGoogleマップを使用したことがあると回答しました。
引用:『【2021年版 定点調査】地図アプリ利用率1位はGoogleマップ!エフェクチュアルが地図アプリの利用トレンドをレポート』
GoogleマップでもGoogle検索ネットワークと同様に多くのユーザーにリーチすることが可能です。
YouTube
来店する可能性の高いユーザーに対してはYouTubeに広告を配信します。
YouTubeも認知度や利用率の高いサービスです。
モバイルICTについて調査を行うNTTドコモ モバイル社会研究所が2022年5月23日に15歳から79歳の男女、7,050人を対象に行なった調査では、YouTubeの認知率は96.2%と無料動画サービスの中で最も高いことがわかりました。
また利用率に関しても、10代から30代は7~8割、60代から70代においても半数近いユーザーがYouTubeを使用していることがわかりました。
引用:『YouTubeの認知率は96.2%も投稿する人は4%』
関連記事:『【すぐわかる】YouTube広告のターゲティング2種類と使い方を解説!』
Googleディスプレイネットワーク
Googleディスプレイネットワークの中で最も関連性の高い場所に広告を掲載することが可能です。
リスティング広告と比較し、大きく画像を表示することができるため、ユーザーに対し多くの情報を伝達することが可能です。
配信面の豊富さが最大の特徴で、Googleと提携を結んでいる200万以上のWebサイトに配信することが可能です。
引用:『GDNとは?配信先や可能なターゲティング、YDAとの違いを解説』
Googleビジネスプロフィール
ローカルキャンペーンを使用することで、Googleビジネスプロフィールを使用し、店舗限定の特典や商品、また店舗の特徴などをアピールすることが可能です。
近年検索を行った際にクリックをせずにサーチを終える「ゼロクリックサーチ」を行うユーザーの割合が増加しています。
Spark ToroのRand Fishking氏が発表したデータによると、2020年に行われたGoogle検索のうち64.82%がゼロクリックサーチだったことがわかりました。
クリックなしで情報を掲載可能なGoogleビジネスプロフィールはゼロクリックサーチを行なったユーザーに対しても詳細に情報を伝えることが可能であり、時世にあった効果的な施策です。
関連記事:『無料の集客方法!Googleビジネスプロフィールの登録方法2ステップ』
Gmail
モバイルデバイスのGmail画面に広告を配信することが可能です。
引用:『ローカルキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Gmailは他のメールサーバプロバイダーと比較しシェア率が最も高いメールサービスです。
2021年1月14日時点でのシェア率は18.4%と2位のMicrosoftの9.6%と比較し、2倍近いユーザーを獲得しています。
Gmailに広告を掲載することで、多くのユーザーに対しリーチすることが可能です。
引用:『トラフィックの多いWebサイトほどGmailの使用率は上昇』
自由度の高い掲載面
一般的なリスティング広告では、広告に店舗名や営業時間が表示されます。
これに対し、ローカルキャンペーンでは、店舗名はもちろん見出しや説明文、画像などが表示され、よりクリエイティブな広告配信が可能です。
ローカルキャンペーンの設定方法
ローカルキャンペーンでは、簡単に広告運用を開始することが可能です。
ローカルキャンペーンは4ステップで配信を開始することができます。
Google広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールを開設
ローカルキャンペーンは店舗への集客を目的とし配信する広告です。
そのため店舗をGoogleビジネスプロフィールに登録し、Google広告と連携する必要があります。
Googleビジネスプロフィールの設定については以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『無料の集客方法!Googleビジネスプロフィールの登録方法2ステップ』
Google広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールの連携は、Google広告の管理画面の「広告表示オプション」から、「住所表示オプション」を設定することで完了します。
キャンペーンの作成
キャンペーンを作成する際は、広告の目的を選択する際に、「来店数と店舗売上の向上」を選択してください。
キャンペーンタイプの選択画面が表示されるため、「ローカル」を選択してください。
引用:『Google広告』
広告の設定
指示に従ってローカルキャンペーンの設定を行います。
「ビジネス情報を使用する」を選択し続行をクリックすることで設定を開始することができます。
複数店舗運営している場合は必要に応じて地域グループを作成することで、より便利にGoogle広告を活用することが可能です。
詳しくは以下のページを参考にしてください。
参考:『地域グループについて|Google広告ヘルプ』
関連記事:『Web広告の運用でエリアマーケティングを成功させる3ポイント』
次に、言語、予算、単価設定、キャンペーンの最適化、開始日と終了日を設定します。
引用:『Google広告』
予算の設定では、1日あたりの平均費用を入力します。
機械学習によって最適化されるため、日によっては1日の平均予算を最大2倍まで超える可能性がある点について留意しておく必要があります。
1日の予算を超えることはありますが、通常の広告と同様に月単位で予算を超過しないよう規制がかかるので、月単位で見れば予算に沿った配信が行われます。
キャンペーンの最適化では、コンバージョンアクションを設定することが可能です。
- 実店舗への来店
- 通話クリック数
- ルート検索数
の3種類から選択することが可能です。
また、実店舗への来店を計測する場合は、Googleが定めた条件を満たす必要があります。
Google広告ヘルプには、以下のように記載されています。
プライバシー基準に準拠できるよう、広告のクリック数やインプレッション数と実店舗への来店数が十分にあること。
来店コンバージョンのレポートでは機械学習モデルを活用しているため、来店コンバージョンを正確にレポートするには十分な量のデータが必要です。広告主様ごとに状況が異なるので、必要な量は広告主様ごとに異なります。
実店舗への来店を計測する場合は、Googleを使用しているユーザーの中で、位置情報の共有を許可しているユーザーからデータを収集し、全体の来店数を推測することでコンバージョン数を計測しています。
あらかじめ十分なデータ数を獲得する必要があるため通話クリック数やルート検索数と比較しハードルの高い施策です。
また、具体的なデータ数も明記されておらず、小中規模店舗を運営している場合、計測開始までに時間がかかる可能性があります。
実際Google広告の公式YouTubeチャンネルやマーケティングの記事で紹介されている来店コンバージョンの事例は「高島屋」やホームセンターHOME’Sを運営する「島忠」、自転車の販売、修理を行うサイクルベースあさひを運営する「株式会社あさひ」など大企業が並んでいます。
参考:『来店コンバージョン計測により、店舗集客へのオンライン広告の活用を促進 ー 髙島屋の事例』
参考:『Google 広告の活用で、若年層の集客と来店コンバージョンの計測に成功(店舗集客:島忠様)』
参考:『Google 広告と Google マイビジネスを活用し、売上アップと来店コンバージョンの計測に成功(店舗集客:あさひ様)』
キャンペーンの期間は最短で30日間です。開始日と終了日を設定する際は30日以上間隔があくように設定します。
配信内容の設定
引用:『Google広告』
次に広告で掲載される内容についての設定を行います。
アセット | 必須/オプション | 説明 |
広告見出し | 必須 | 見込み顧客の関心を引くためのテキストを 5 行以内で入力してください。個々の広告見出しをそれぞれ異なる内容にすると、最大限の効果が得られます。文字数の上限は半角 30 文字(全角 15 文字)です。 |
説明 | 必須 | 商品やサービスについて簡単にまとめたテキストを 5 行以内で入力してください。文字数の上限は半角 60 文字(全角 30 文字)です。 |
行動を促すフレーズ | 必須 | 商品やサービスの利用方法を説明したテキストを 5 行以内で入力してください。文字数の上限は半角 11 文字(全角 5 文字)です。 |
最終ページURL | 必須 | 広告をクリックしたユーザーに表示するページの URL を入力してください(有効な URL である必要があります)。 |
表示URLのパス | オプション | 広告に表示する完全な URL を 2 行以内で入力してください。ドメインは最終ページ URL と同じものとする必要があります。この項目を空白にした場合は、最終ページ URL が表示 URL として使用されます。 *2 つのパスを指定可能 |
モバイルの最終ページURL | オプション | 広告をクリックしたユーザーに表示するページの URL を入力してください。表示するサイトがモバイルに対応しているかどうかをご確認ください(有効な URL である必要があります)。 |
画像とロゴ | 必須 | 1.91:1 の比率の画像と 1:1 の比率のロゴを、少なくとも 1 つずつ指定する必要があります。 最大20個 |
動画 | 必須 | 動画の長さは 10 秒以上にしてください。 有効な YouTube の URL を入力します。 |
引用:『ローカル キャンペーンの作成|Google広告ヘルプ』
ローカルキャンペーンでは、必須項目に限定すれば、6項目、最大でも8項目を設定するだけで掲載することが可能です。
「最終ページURL」にランディングページのURLを設定します。
ランディングページについて詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『LPO(ランディングページ最適化)とは?基礎知識と改善ポイント5選!』
また、表示URLとは、広告上に表示されるURLのことを指します。
設定しない場合は最終ページのURLが表示されるため、設定は必須ではありませんが、設定することでより簡潔なURLをユーザーに表示することができ、より伝わりやすい広告を作成することが可能です。
引用:『表示URL|Google広告ヘルプ』
表示URLは一般的にドメインにパスと呼ばれる広告に関連するキーワード2つを組み合わせて構成されます。
URLを表示する場合と比較し、日本語で必要なキーワードをユーザーに伝達可能な表示URLはユーザーに対し親切な施策です。
以上を設定した上で審査が完了した場合、広告配信を開始することが可能です。
ローカルキャンペーンを使用する際の注意点
ローカルキャンペーンは店舗集客をする際、非常に有用な施策ですが、以下の2点に注意して使用するようにしましょう。
- 機械学習で運用するため、配信設定で自由度が少ない
- YouTubeの動画を用意する必要がある
機械学習で運用するため、配信設定で自由度が少ない
ローカルキャンペーンでは、最初にURLや見出しなどを設定するだけで自動的に最適化された広告を配信することが可能です。
多くのリスティング広告では、検索キーワードを設定し、成果を見ながらキーワードを変更するなど調整する必要がありますが、ローカルキャンペーンはそういった手間のかからない広告手法です。
裏を返すと、自分でキーワードを設定することや変更することができない広告手法です。
広告に関する専門的な知識が豊富な方は、自身の知識を活かしづらく、扱いづらい広告になってしまう可能性もあります。
また、入札戦略がコンバージョンの最大化のみという点にも注意する必要があります。
多くのリスティング広告では、クリック数の最大化やインプレッション数の最大化など様々な入札戦略の中から自社にとって最適なものを選択し使用します。
インプレッション数増加による認知拡大などコンバージョンとして設定可能な項目に該当しない目的で広告運用を行う場合、ローカルキャンペーンは使用しづらい広告になってしまう可能性もあります。
YouTubeの動画を用意する必要がある
ローカルキャンペーンでは、YouTubeを使用した動画広告の配信も行うため、ローカルキャンペーンを設定するまでにYouTube動画を用意する必要があります。
10秒以上の動画であれば使用可能であるため、条件は優しいですが、元々YouTubeに動画を投稿していない方はローカルキャンペーンのために用意する必要があるため、注意しましょう。
実写での動画制作が難しいと感じた場合、アニメや漫画を使用した動画を作成することを検討してみてはいかがでしょうか。
漫画やアニメの動画を制作する際はいかに記事を参考にしてください。
関連記事:『VYOND(ビヨンド)でビジネスアニメ動画を未経験者が2時間で作成する方法』
関連記事:『YouTube漫画動画の作り方!大切な4ステップを解説!』
まとめ
ローカルキャンペーンでは、他の広告と比較し、あまり自由度が高くない点や、YouTube動画を用意しなければならない点など、注意しなければならない点もありますが、手間なく、効率的な広告運用を行うことが可能です。
機械学習によって自動で最適化された広告を数多くの媒体に配信できることから、初心者でも安心して使用可能です。
店舗運営をしており、集客方法で悩んでいる場合、まずローカルキャンペーンを検討してみてはいかがでしょうか。
また、当記事を読んで、ローカルキャンペーンが難しいと感じた方や、ローカルキャンペーンでは目的を達成できないため、ローカルキャンペーン以外のGoogle広告を使用したいと感じた方は1度広告代理店に相談してみたはいかがでしょうか。
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監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。