上場企業の88%がGoogleアナリティクスを使用しているという調査結果*1があるように、ウェブサイトの分析にGoogleアナリティクスを使用している方も多いのではないかと思います。
しかし、アナリティクスで得られたデータをどうまとめれば良いのか悩んだ経験はありませんか?
Googleアナリティクスで使える機能や解析できる情報は多いので、例えばLPO(ランディングページ最適化)業務の際にご自身で分析するときや上司に報告するときにデータを分かりやすく整理する必要があります。
データをレポートとしてまとめるときにはGoogleデータポータルの使用がオススメです。
Googleデータポータルは様々なGoogleツール上のデータを一元化して分かりやすく表示させることが出来るツールです。この記事では、Googleデータポータルでアナリティクスのレポートを作る方法とメリットをご紹介します。
関連記事:『LPO(ランディングページ最適化)とは?基礎知識と改善ポイント5選!』
Contents
Googleデータポータルとは
Googleデータポータルは、無料で利用できるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。
GoogleアナリティクスやGoogle広告など様々なデータを取り込み表やグラフなどで可視化できるので、必要な情報をわかりやすくまとめることができます。
Googleデータポータルを使用して作成したレポート例
チームでレポートを共有することも可能で、定期的に関係者に実績データをメールで自動送信したり、PDFでダウンロードして報告用資料としての利用もできるのでレポートの作成や共有の手間を削減できます。
Googleデータポータルの導入方法
STEP1.Googleアナリティクスへのサイト登録
事前に分析したいウェブサイトをGoogleアナリティクスに登録してデータを収集できる状態にしてください。
STEP2.Googleデータポータルにアクセス
Googleデータポータルにアクセスし、「USE IT FOR FREE」 をクリックします。
引用:『Google データポータル』
STEP3.Googleアカウントでログイン
Googleアカウントのログイン画面が表示されるので、データポータルを作成したいアカウントでログインします。
アカウントの管理を簡単化するためにGoogleアナリティクスを利用しているGoogleアカウントと同じアカウントの使用がオススメです。
STEP4.データソースを選択
GoogleデータポータルとGoogleアナリティクスを連携させる作業に入ります。ログインするとGoogleデータポータルのダッシュボードが表示されます。
画面左側のメニューにある「作成」をクリックし、その後に表示されるリストのなかから「データソース」を選択します。
STEP5.ツール一覧から「Google アナリティクス」を選択
Googleデータポータルでデータを取り込んで可視化することが出来るツールの一覧が表示されます。この一覧のなかにある「Googleアナリティクス」を選択します。
STEP6.Googleアナリティクスへのアクセスを承認
GoogleデータポータルがGoogleアナリティクスへアクセスすることの確認および許可を求める画面が表示されるので、「承認」 をクリックします。
STEP7.名前を設定して連携
画面左上表示されている「無題のデータソース」をクリックして、自分が管理しやすい名前を任意に設定します。
画面下部にデータを取り込めるGoogleアナリティクスの情報がアカウント列およびプロパティ列に表示されているので、データを取り込みたいアカウントとプロパティを選択します。
その後、画面右上にある「接続」をクリックします。取り込みたいアカウント情報が表示されない場合は、Googleデータポータルでログインしたアカウントに当該Googleアナリティクスの管理者権限が付与されていない可能性があります。
権限を保有しているかGoogleアナリティクス上で確認をしてください。
STEP8.レポートを作成
取り込むデータ項目が表示されます。通常ここで何も設定を変更せずそのまま進めて問題ありません。画面右上の「レポートを作成」をクリックします。
STEP9.レポート名の設定
無地のレポートが作成されました。左上に表示されている「無題のレポート」をクリックし、任意のレポート名を設定します。ここに表やグラフなどを追加してレポートを作成していきます。
レポートに掲載する表やグラフの作成方法について簡単な事例を紹介します。
ウェブサイトに流入しているユーザーを (1)国別に分けて、どの国からどれだけ流入しているのかを表でまとめ、(2)ユーザーの性別を円グラフでまとめます。
STEP10.国別の流入をまとめた表を追加
STEP10-1.「グラフを追加」をクリック
まずはユーザーを国別に分けた表を作成します。上部メニューのなかにある「グラフを追加」をクリックし、表示されたリストの一番上の「表」の中から任意の表を選択します
表の種類は、数字だけの表、棒付のデータ表、ヒートマップ付のデータ表の3種類があります。ここではヒートマップ付のデータ表を使用するために一番右側のアイコンを選択します。
STEP10-2.「グラフを追加」をクリック「ディメンション」から「App version」を選択
作成された表のフォーマットをクリックすると右側のメニューに「グラフ>表」という項目が表示されます。そのなかにある「ディメンション」の緑色のバーをクリックします。
STEP10-3.「グラフを追加」をクリック「国」を選択
緑色のバーの中から「国」を選択すると、先ほど作成した表のフォーマットが変化し、国別のセッション数が降順で表示されます。
STEP11.「グラフを追加」をクリックユーザーの性別をまとめた円グラフの追加
STEP11-1.「グラフを追加」をクリック「グラフを追加」をクリック
次にユーザーの性別を円グラフでまとめます。上部メニューのなかにある「グラフを追加」をクリックし、表示されたリストの中にある「円」の中から任意の円を選択します。円は円グラフとドーナツ型のグラフが用意されています。
今回は円グラフを使用するために円の左側のアイコンを選択します。
STEP11-2.「ディメンション」から「国」を選択
グラフ>円」のなかにある「ディメンション」の緑色のバーをクリックします。
STEP11-3.緑色リストのなかにある「性別」を選択
緑色リストのなかにある「性別」を選択すると円グラフが性別毎のデータに変更されます。
STEP12.集計期間の変更
デフォルトでは過去28日間のデータを集計した結果が表示されます。
この集計期間を変更したい場合は再び表をクリックし、右側のメニュー「グラフ>表」の中にある「デフォルトの日付範囲」で「カスタム」を選択します。
「過去28日間」のテキストをクリックするとカレンダーが表示されるので、データを確認したい計測期間を設定します。
表のデザインを変更したい場合は「グラフ>表」の直下にある「スタイル」をクリックすると表の設定を変更できる項目が表示されます。
表の色やラベルのフォントなどを任意に設定することができます。
このように確認したいデータを表やグラフでまとめて、分かりやすいレポートを作成しましょう。
Googleデータポータルを使う3つのメリット
Googleデータポータルには様々なメリットがあります。例えば、一例として以下が挙げられます。
- 様々なツールのデータを一元化できる
- データの確認や共有がカンタン
- 豊富なレポートテンプレートを使用できる
1つずつ詳しくご紹介します。
様々なツールのデータを一元化できる
Googleデータポータルの導入方法のStep.5でも触れましたが、Googleデータポータルはアナリティクスだけではなく様々なツールのデータを取り込むことが可能です。
Googleデータポータルにデータを取り込めるGoogleの提供ツールは下記の通りです。
※これは2022年8月時点の情報です。
- Googleアナリティクス
- Google広告
- Googleスプレッドシート
- BigQuery
- AppSheet
- Amazon Redshift
- Cloud Spanner
- Cloud SQL for MySQL
- Google Cloud Storage
- Googleアドマネージャー
- Googleサーベイ
- Microsoft SQL Server
- My SQL
- PostgreSQL
- Search Console
- YouTubeアナリティクス
- Tables by Area 120
- キャンペーンマネージャー
- ディスプレイ&ビデオ360
- データの抽出
- 新しい検索広告360
- 検索広告360
参考:『データポータル』
関連記事:『YouTubeアナリティクスで動画を分析するときに注目したい5つの指標』
Googleがパートナー契約を締結している外部ツールもあり、これらを含めると500種類近いツールのデータを取り込むことが可能です。
外部ツールではSNSのFacebookやPinterest、タスク管理ツールのAsana、CRMツールのHubspotやZohoなどが挙げられ、連携出来るツールの種類も様々です。
レポート上部のメニューバーのなかにある「データを追加」をクリックし、取り込みたいツール名をリストの中から選択することでデータを表示することが可能になります。
データの確認や共有がカンタン
メリット1でお伝えした通り、様々なツールのデータを一元化して表示することができます。
これまでGoogleアナリティクスにログインしてアナリティクスのデータを確認したあとに、Google広告にもログインして広告運用結果のデータを確認するなど、ツール単位でデータを確認していた場合はGoogleデータポールを活用することで効率化が図れます。
複数のツールを開いて確認する労力を省くことが出来るだけではなく、各ツールのデータを一枚のレポートにまとめることが出来るのでレポートを作成する労力削減やレポートの視認性向上に役立てることができます。
また、レポートの共有も容易に行うことができます。レポート上部にある「共有」をクリックして、下記の中から自分の望ましい方法でデータを共有することが可能です。
他のユーザーを招待
個々のユーザーを招待して、レポートとデータソースの閲覧、編集を許可できます。データポータルにアクセスできるのは招待されたユーザーだけなので、より広範囲に共有したい場合は「レポートへのリンクを取得」を使用します。
関連記事:『広告レポート作成ツール8選!【PDCAの回し方も徹底解説】』
メール配信をスケジュール
メール配信のスケジュールを設定すると、自分および関係者にデータポータル レポートのPDF版を定期的に配信できます。
「共有」をクリックした後に表示されるリストのなかから「メール配信をスケジュール」を選択すると、メールの配信設定が表示されます。
「宛先」でメールを配信したいアドレスを設定し、「開始時刻」で配信時間を設定、「リピート」でどれくらいの頻度でレポートを送信するかを設定した後に、「スケジュール」をクリックすることで配信設定が完了します。
レポートへのリンクを取得
データポータルで作成したレポートが表示される短縮URLを作成します。レポートの共有、ウェブページでの参照など、さまざまな用途で使用できます。
閲覧するメンバーを限定せず、一定の規模にレポートを見せたい場合にURLを共有すると良いでしょう。
PDF形式でレポートをダウンロードできます。PDFにパスワードを設定することも可能です。
豊富なレポートテンプレートを使用できる
どのようにデータをまとめれば良いのか分からない場合は、Googleが用意しているレポートテンプレートを用意すると良いでしょう。レポートの目的に合わせた様々なテンプレートがあります。
データポータルのダッシュボードの左メニューのなかにある「Templates」もしくは画面右側に表示されている「テンプレートギャラリー」をクリックすることで、使用できるテンプレートが表示されます。
ゼロからレポートを作ると時間が掛かってしまうので、テンプレートをベースにして自分の使いやすいようにカスタマイズすると良いでしょう。
まとめ
ここまで紹介したようにデータポータルを使用することで、作業時間を短縮できるだけではなく見やすいレポートを作れて、見てもらいたい人に簡単に共有することができます。
この記事を読んで、データポータルの導入が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。