近年、EC分野は著しい成長を遂げています。
経済産業省が令和2年度に日本の電子商取引に関する実態を調べるために行った調査を見ると、EC分野の市場規模は年々増加しており、また、全商取引におけるECの割合を示すEC化率も右肩上がりで増加していることがわかります。
ECを用いたマーケティングが主流になりつつあることもあり、オンラインストアを運営している方も多いのではないでしょうか。
ユーザーのオンラインショップ利用率も年々増加しており、データマーケティング支援を行うGlossom株式会社が2021年に10代から70代の男女10,000人を対象に行った調査によると、ほとんど全ての世代で8割を超えるユーザーがECサイトを利用していることがわかりました。
ECサイトを運営する際に有用なサービスの1つにGoogleマーチャントセンターがあります。
Googleマーチャントセンターに商品を登録することで、ショッピング広告や無料リスティングへの掲載を行うことが可能です。
当記事では、ユーザーに対し商品の情報をリーチする際に効果的な施策の1つであるGoogleマーチャントセンターについて紹介します。
Contents
Googleマーチャントセンターとは
Googleマーチャントセンターを使用することで、多くのユーザーがオンラインで商品を見つけることが可能になります。
Googleマーチャントセンターに商品の情報を追加することで以下の3つの方法でユーザーにリーチすることが可能です。
- 無料リスティング
- ショッピング広告
- 動的リマーケティング
Googleマーチャントセンターの活用方法3選
無料リスティング
無料リスティングとは、Googleサービス内のさまざまな場所に無料でリスティングを掲載可能な枠のことを指します。
掲載可能なサービスは以下の通りです。
ショッピングタブ
ショッピングタブでは、同じような商品を探しているユーザーに対し無料リスティングを表示することが可能です。
また、無料ローカルリスティングを有効にすることでユーザーが探している商品が近くの小売店にあるか否かを表示することが可能です。
その他にも、ユーザーに対し、店舗の営業時間やルート、電話番号などの詳細情報も提供することができます。
引用:『Google で無料リスティングが表示される場所|Google Merchant Centerヘルプ』
Google検索
Google検索では、カテゴリーや商品名を検索した際、ヒットした商品情報を整理しナレッジパネルで表示します。
この際、無料リスティングが表示されます。
引用:『Google で無料リスティングが表示される場所|Google Merchant Centerヘルプ』
Google画像検索
画像検索をした際に「商品」というラベルのついたものがあります。
これは商品が購入可能であることを示しており、画像をクリックした場合Googleマーチャントセンターに登録した価格などの情報が表示されます。
引用:『Google で無料リスティングが表示される場所|Google Merchant Centerヘルプ』
また、Googleレンズを使用した検索にも対応しています。
Googleレンズとは写真や画像から関連する情報を検索するためのツールです。
例えば、気になるファッションやリビングにぴったりの椅子を見かけた場合、Google レンズを向けることで、検索ボックスにテキストを入力しなくても、似ている服、家具、雑貨を探すことができます。
この際に表示された画像の中に「商品」というラベルがあった場合購入することが可能です。
引用:『Googleレンズ』
YouTube
YouTubeで動画を視聴しているユーザーに対し、動画の下で直接購入可能な商品リストを表示することが可能です。
YouTubeで検索する際に商品に関するキーワードが含まれている場合は検索結果画面にリスティングされる場合もあります。
引用:『Google で無料リスティングが表示される場所|Google Merchant Centerヘルプ』
無料リスティングはその名の通りお金のかからない施策にもかかわらず非常に効果的です。
コストがかからないことから非常にハードルの低い施策であり多くの企業が導入しています。
例えば、アメリカのカジュアルブランドであるAEROPOSTALEは無料リスティングを活用し、新規顧客の獲得に成功しました。
結果、過去2年間におけるオンラインショッピングの収益増加率400%を達成しました。
引用:『Google Merchant Center でビジネスを拡大』
ショッピング広告
ショッピング広告では通常のGoogle広告と同様の管理画面で設定を行います。
Googleマーチャントセンターに商品情報を登録し、Google広告とリンクすることで使用可能です。
ショッピング広告は一般的なリスティング広告より上位にナレッジパネルで表示されるため非常に視認性の高い施策です。
引用:『Google検索』
上の画像は『パソコン』で検索した際の検索結果です。
一般的なリスティングより上部にショッピング広告が表示されていることがわかります。
また、表示可能な文字数は少ないものの画像を使用した訴求ができる点もショッピング広告が優れている点の1つです。
動的リマーケティング
動的リマーケティングはGoogleのディスプレイ広告の1つです。
過去にサイトで閲覧した商品やサービスを広告に含めることが可能です。
ショッピング広告と同様、Google広告との連携が必要です。
自信のWebサイト内に動的リマーケティングタグを追加し、データを収集することで広告配信を行うことが可能です。
また、ショッピング広告をあらかじめ使用しているユーザーは既存のデータを用いて動的リマーケティングを行うことも可能です。
関連記事:『リスティング広告と相性が良い4つの商品と相性が悪い4つの商品』
Googleマーチャントセンターに登録するメリット
- ユーザーが商品を見つけやすくなる
- Googleマーチャントセンター独自の分析を行うことが可能
以上の2点がGoogleマーチャントセンタに登録するメリットです。
ユーザーが商品を見つけやすくなる
現在ECの需要は右肩上がりで上昇しており、Web上に商品情報を掲載することは非常に重要です。
引用:『Google Merchant Center でビジネスを拡大|Google for Retail』
Googleマーチャントセンターではホームページなどに情報を記載することとは違い、クリックせずとも詳細の情報を閲覧することが可能です。
またショッピング広告はもちろん無料リスティングにおいてもWeb内で視認性の高い場所に情報掲載を行うことが可能です。
Googleマーチャントセンター独自の分析を行うことが可能
Googleマーチャントセンターでは、分析ツールを用いて市場調査を行うことが可能です。
引用:『Google Merchant Centerでビジネス拡大|Google for Retail』
閲覧可能なデータは「インプレッション数」と「クリック数」のみであるため、実際どの程度のユーザーが購入したかを把握することはできませんが、無料リスティングの効果計測を最低限行うことが可能です。
また、Googleマーチャントセンターの分析ツールで最も優れている点として、競合商品の分析を行える点が挙げられます。
人気の商品がどのような価格帯でどのような画像を用いて訴求しているか把握することができるため、商品開発をする際や、画像の撮影を行う際、価格設定を行う際などさまざまなタイミングで役立つツールです。
Googleマーチャントセンターに登録する際の注意点
- 審査を通過する必要がある
- 頻繁に更新する必要がある
以上の2点がGoogleマーチャントセンターに登録する際の注意点です。
審査を通過する必要がある
引用:『画像の自動改善について|Google Merchant Centerヘルプ』
「元の画像(表示されない)』は不要な宣伝要素が含まれているといった理由で審査落ちします。
また、ECサイト内と商品フィード内で商品データが一致していない場合や成人向けコンテンツなども審査落ちしてしまいます。
審査落ちする条件をまとめると以下のようになります。
- 不要な宣伝要素が含まれている
- ECサイト内と商品フィード内で商品データが一致していない
- 成人向けコンテンツ
- 人物写真
- どのアイテムか分かりづらい
など
引用:『Google Merchant Centerの使い方~審査に通過できない・不承認アイテムへの対処方法など管理方法がわかる』
また、Googleマーチャントセンターには、画像の自動改善機能があります。
デフォルトではオフになっているため、Googleマーチャントセンターアカウントにログインし、[設定]→[自動改善]→[画像品質の向上]をクリックし画像自動改善の設定を調整してください。
引用:『画像の自動改善について|Google Merchant Centerヘルプ』
頻繁に更新する必要がある
Googleマーチャントセンターでは、過去30日間にデータフィードを更新していない場合、期限切れとなり掲載がストップしてしまいます。
データフィードは自動取得の設定を行うことも可能であるため、あらかじめ設定を行い対処しておくことも手段の1つです。
また、Googleマーチャントセンターは商品登録時の審査に通過した場合であっても定期的に審査を行っており、Googleのポリシーに違反していた場合、警告期間が設けられ修正依頼が届きます。
期間内に修正が完了した場合であれば、継続して配信可能ですが、修正できなかった場合、Googleマーチャントセンターのアカウントが強制停止されてしまいます。
強制停止になってしまった場合、再度審査を依頼し、修正が完了していた場合強制停止が解消されます。
強制停止になってしまい、配信できなくなってしまった場合、一定期間Googleマーチャントセンターを所用した訴求ができなくなってしまいます。
日々NG箇所や商品数などの確認を行い警告メールが届かないように注意しましょう。
Googleマーチャントセンターの設定方法
マーチャントセンターの設定は以下の2ステップで完了します。
- アカウントの開設
- 商品情報やWebサイトの登録
アカウントの開設
Google for RetailのページからGoogleマーチャントセンターのアカウント開設を開始することが可能です。
引用:『Merchant Centerアカウントを設定する』
まずは、ビジネス情報を行います。
次に、購入手続きを行う場所を選択します。
ECでGoogleマーチャントセンターを活用する場合は「自社のウェブサイト」を選択しましょう。
複数チェックすることも可能であるため、無料ローカルリスティングを活用し、近くにいるユーザーに在庫の情報を伝えたい場合や、電話での問い合わせを促したい場合は「実店舗」にもチェックを入れましょう。
Shopfyなど他のツールも活用している場合は該当するものにチェックを入れましょう。
以上でアカウント開設は完了です。
商品情報やWebサイトの登録
商品の登録は、左に表示されている[商品]タブから行うことが可能です。
で商品データをアップロードする際、フィードと呼ばれるファイルを作成し、データを登録する必要があります。
上画像の[フィードを作成]をクリックすることでフィードを作成することが可能です。
まずは言語の設定と無料リスティングと無料ローカルリスティングのどちらで所用するフィードであるかを選択します。
次にフィードの設定方法を選択します。
どれを選択した場合でもフィードを作成することは可能ですが、例えばGoogleスプレッドシートを選択した場合であれば、Googleスプレッドシート内に商品名や価格など必要な情報を入力することで登録を完了することが可能です。
Googleが提供しているテンプレートがあり指示に従って入力することで完結するため、簡単に登録することが可能です。
また、Webページの登録は[歯車]→[ビジネス情報]で登録することが可能です。
また、登録したWebページが自己所有のものか判断するために、審査を行う必要があります。
審査方法は以下の3種類です。
- HTMLタグもしくはHTMLファイルをアップロード
- Googleアナリティクスのアカウントを使用
- Googleタグマネージャーのアカウントを使用
以上でGoogleマーチャントセンターの設定は完了です。
まとめ
Googleマーチャントセンターに商品情報を登録することで、ショッピング広告や動的リマーケティングなどの有料広告施策だけでなく無料リスティングを用いてユーザーにリーチする無料広告施策を活用することが可能です。
コストをかけずに認知度を高められることから、商品を販売している方であれば多くの人にとって有用な施策になるのではないでしょうか。
登録も2ステップで完了するため非常に簡単なことに加え、他の広告と異なり画像を用いて訴求できる点やショッピング広告に関しては一般的なリスティングと比較し上部に配置されるなど多くの魅力があるため導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。