CTA(Call to Action)は日本語で「行動喚起」を意味し、「お問い合せ」や「資料請求」など何らかを促す要素のことです。
WebページやWeb広告を運用している方であれば、設置している方も多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンで使いやすい動画プラットフォームを提供するWISTIAが行った調査によると、CTAごとの平均CVR(コンバージョン率)は上のようになりました。
- Click(クリックする)
- Download(ダウンロードする)
- Resister(登録する)
- Signup(会員登録する)
- Buy(購入する)
- Try(試す)
の6項目を対象に行われた調査で、「Buy」を除く5項目が5%を上回り、最も高い「Signup」においては、20%近いCVRを達成していることがわかります。
引用:『Customize|WISTIA』
英語のCTAを対象に行われた調査であるため、日本語での調査では差異が出る可能性もあります。
しかし、もし皆さんが使用しているWebページやWeb広告のCTAにおけるCVRが上述した平均を下回っている場合、改善する余地が残されているかもしれません。
Web広告におけるCTAを改善する施策の1つに、カルーセル広告フォーマットの使用があります。
Google広告やFacebook広告で提供されているカルーセル広告では、複数の画像や動画を活用し、一般的な広告と比較し多くの情報をユーザーに提供することが可能です。

当記事では、CVR向上に役立つカルーセル広告について解説します。
関連記事:『CTAを改善する方法とは?コンバージョンを高める4つの簡単な方法』
カルーセル広告とは
そもそもカルーセル(Carousel)とは、メリーゴーラウンドや回転台のことです。

カルーセル広告とは、1つの広告枠に複数の画像や動画を横並びに配置できる広告フォーマットで、ぐるぐると画像や動画を表示することからカルーセル広告と名付けられました。
左右にスワイプすることでそれぞれの画像や動画を確認することができます。
カルーセル広告の目的
カルーセル広告の目的は以下の2点です。
- ダイレクトレスポンス広告としてユーザーに何かしらのアクションを促すこと
- ブランディング広告として商品やサービスの認知向上や好意的なイメージを獲得すること
ダイレクトレスポンス広告としてユーザーに何かしらのアクションを促すこと
ダイレクトレスポンス広告とは広告を閲覧したユーザーに商品の購入などのアクションを得ることを目的とする広告です。
カルーセル広告がダイレクトレスポンス広告として作用するため、カルーセル広告はCTA改善に役立ちます。
CTAボタンを配置し、明確なCV地点を用意するため、効果検証をしやすいといった特徴があります。
Facebook広告におけるカルーセル広告と単一画像の広告と比較では、コスト面のパフォーマンスで、コンバージョン単価で30〜50%、クリック単価で20〜30%カルーセル効果の方が優位であることがわかりました。
カルーセル広告をダイレクトレスポンス広告として最も効果的に活用している企業の1つにニューヨーク発祥の百貨店であるNeiman Marcusがあります。
それぞれの画像に販売したい商品のPR画像を採用し、新規の顧客など成果を獲得するために1人あたりどれだけの費用がかかったのかを示すCPA(Cost Per Action)では、他のプラットフォームを利用し、広告配信を行なった場合と比較し、75%も高い値を獲得しました。
参考:『ダイレクトレスポンス広告(レスポンス広告)とは』
引用:『キャンペーンのパフォーマンスをさらに高めるカルーセル広告|Meta for Business』
ブランディング広告として商品やサービスの認知向上や好意的なイメージを獲得すること
ブランディング広告とは商品やサービスをブランドとして形づけるための広告です。
どの商品やサービスにも類似商品が存在し、商品やサービスを提供している企業は他社と区別できるようにブランドを形成しなければなりません。
ブランディング広告は認知拡大からイメージの定着までをサポートする広告であるため、商品の販売などユーザーからのアクションを求めるための広告ではありません。
実際に、ドイツの自動車会社BMWが2001年に設立したブランドであるMINIはカルーセル広告を認知拡大に活用しており、MINIの良さが伝わるような複数枚の画像をバーチャルギャラリーとして配信しています。
引用:『ブランディング広告とは?代表的な広告手段とレスポンス広告との違い』
カルーセル広告は、実際に利益を獲得するためだけでなく、ブランディングでも使用でき、汎用性の高い広告方法です。
引用:『キャンペーンのパフォーマンスをさらに高めるカルーセル広告|Meta for Business』
カルーセル広告を使用可能な媒体
- Google広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- Twitter広告
- LINE広告
カルーセル広告を使用可能な媒体は上記した5つです。
Google広告
引用:『さまざまな場でユーザーに発見してもらえるファインド広告』
Google広告では、ファインドキャンペーンからカルーセル広告の設定を行うことができます。
配信場所 |
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配信可能なカード数 | 2~10枚 |
クリエイティブに関する規格 |
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テキストに関する規格 |
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引用:『ファインド キャンペーンを作成する|Google広告ヘルプ』
関連記事:『Google広告のブランド効果測定とは?10ステップで調査開始』
Facebook広告
引用:『キャンペーンのパフォーマンスをさらに高めるカルーセル広告|Meta for Business』
Facebook広告では、Google広告と異なりカルーセル広告で動画が配信でき、また、配信場所も豊富であるためより柔軟にカルーセル広告を運用することが可能です。
配信場所 |
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配信可能なカード数 | 2~10枚 |
クリエイティブに関する規格 |
|
テキストに関する規格 |
※上記した文字数を超えることも可能だが見切れる可能性あり |
引用:『カルーセル Facebookフィード|Facebook広告ガイド』
関連記事:『Facebook広告の効果を上げるためのターゲティング活用ガイド5選』
Instagram広告
引用:『カルーセル広告に動画を追加する|Instagramの最新情報』
Instagram広告のカルーセル広告ではストーリーズ機能を活かして縦型の画像や動画で訴求する点が特徴です。
スタンプや絵文字などストーリーズ本来の機能を活かしたクリエイティブな広告を配信可能です。
配信場所 |
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配信可能なカード数 | 2~10枚(ストーリーズでは5枚表示後、[ストーリーズを開く]が自動的に表示され、クリックしたユーザーにのみ6〜10枚目のクリエイティブが表示される) |
クリエイティブに関する規格 |
※ストーリーズでは上下およそ14%の範囲はロゴは配置しないように注意(CTAなどを配置するため) |
テキストに関する規格 |
※上記した文字数を超えることも可能だが見切れる可能性あり |
引用:『カルーセル Instagramストーリーズ|Facebook広告ガイド』
関連記事:『Instagram広告とFacebook広告の違いと特徴!成果を出す4つのポイント』
Twitter広告
引用:『Twitterのカルーセル広告|Twitterビジネス』
もともとはシングルターゲット機能のみのサポートで、画像ごとにリンクを設定することができませんでした。
しかし、昨年アップデートがあり、マルチターゲットを選択することで、画像ごとにリンクを設定することが可能になりました。
ツイートの本文や見出し文は全てのカード(カルーセル内の個々の画像)で共通であるため、採用する際は注意しましょう。
配信場所 |
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配信可能なカード数 | 2~6枚 |
クリエイティブに関する規格 |
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テキストに関する規格 |
※画像ごとにURLを設定する場合、アプリへのリンクは添付不可 |
関連記事:『Twitter広告で費用対効果をUPさせる5つの秘訣!その特徴を解説!』
LINE広告
日本人のおよそ7割が使用しているLINEに広告を掲載できるためリーチできる人数は他の媒体と比較し圧倒的です。
参考:『LINE Business Guide LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー 2021年7~12月期版』
LINEには「LINE Dynamic Ads」と呼ばれる、ユーザーの閲覧履歴に基づき興味のありそうな商品やサービスの広告配信を行う機能があります。
カルーセル広告においても「LINE Dynamic Ads」を活用できるため、商品やサービスに関心が高いと思われるユーザーに対して効率よく広告配信を行うことが可能です。
引用:『LINE Dynamic Adsを利用する|LINE for Business』
配信場所 |
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配信可能なカード数 | 2~10枚 |
クリエイティブに関する規格 |
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テキストに関する規格 |
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関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
カルーセル広告を使用するメリット
カルーセル広告を使用するメリットは、以下の2点です。
- 伝えられる情報量が多い点
- クリエイティブな広告を配信できる点
伝えられる情報量が多い点
カルーセル広告は画像や動画を複数枚組み合わせて広告配信できるため、ユーザーに伝えられる情報量が多いといった特徴があります。
上述したNeiman Marcusのように、1回の配信で複数の商品をPRすることができます。
引用:『キャンペーンのパフォーマンスをさらに高めるカルーセル広告|Meta for Business』
また、1つの商品情報をより詳細に伝えるために使用することも可能です。
例えば、女性用シューズを販売するTieks by Gavrieliは複数枚の画像を使用し1つの商品をPRすることで商品の魅力を効果的にアピールしました。
引用:『カルーセル広告の7つの活用法|Meta for Business』
クリエイティブな広告を配信できる点
カルーセル広告は、画像や動画を複数枚組み合わせることができる自由度の高い広告であるため、他の広告と比較し、クリエイティブに富んだ広告を作成することができます。
ヘアアイロンを販売しているTyme Hairは自社のヘアアイロンの使用方法を伝えるためにカルーセル広告を活用しました。
文字で伝えることと比較しわかりやすく、画像3枚で伝わるほど簡単に綺麗なカールを作れることをユーザーにアピールしました。
カルーセル広告は商品やサービス、企業のストーリーを通じてユーザーにメッセージを届け、共感を得ることでアクションを促すストーリーマーケティングで活用することも可能です。
引用:『カルーセル広告の7つの活用法|Meta for Business』
オーダーメイドの手作りブレスレットを販売するPure Vidaは「Sharing the pure life(純粋な人生を分かち合う)」をテーマに商品の紹介と同時に人々の日常や海辺の暮らしをカルーセル広告で配信しました。
Pure Vidaはストーリーマーケティングに成功し、わずか2ヶ月で注文数は4倍にまで増加しました。
引用:『資生堂がInstagramを中心としたブランディング戦略を公開 ストーリーズ広告の新常識とは?』
また、資生堂は2019年に「Instagram Day Tokyo 2019」のなかで、今後のブランディング戦略について語り、Instagramのストーリーズ機能内に配信するカルーセル広告を使用することでブランディングを行うことを発表しました。
カルーセル機能に「アンケートスタンプ機能」や「絵文字スライダーステッカー」と行ったインタラクティブな要素を導入することで、オーガニック投稿されたストーリーズに近い広告を実現すると発表しました。
カルーセル広告はダイレクトレスポンス広告として使用する時だけでなく、ブランディング広告として使用する場合でも、クリエイティブに富んだ配信を実現できます。

自由度が高く、使用方法に制限が少ないカルーセル広告のメリットを最大限に活かした広告を作成しましょう。
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
まとめ
この記事では、カルーセル広告の目的と使用するメリットについて解説しました。
カルーセル広告は商品やサービスについて訴求するダイレクトレスポンス広告としての役割だけでなく、ブランドを形作るブランディング広告としても活用でき、非常に汎用性の高い広告であることから、広告を配信する際のあらゆるニーズに対応可能です。
自由度が高く、自身の想像力を活かした広告配信ができます。やり方次第では大きな効果を期待できるため採用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、この記事を読んで、カルーセル広告の活用は難しいと感じた方や、想像力に富んだ広告の制作ができるか不安に感じた方は広告代理店に任せるのも1つの手です。
株式会社Unionは、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
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監修者
2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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