現代人の生活に欠かせないツールであるSNS。
「インスタ映え」などの一大ムーブメントを巻き起こしたInstagramは、今や年代を問わず多く利用されています。
企業と顧客とのコミュニケーションツールとしても注目を集めており、Instagramを有効活用することによって、新たなファン獲得も可能です。
そこで今回は、企業がInstagramのアカウントを運用する際に押さえておきたい基礎知識を徹底解説します。
Instagramがうまく機能していないと感じている方、これから運用をスタートさせたい方はぜひ参考にしてください。
Contents
Instagramの特徴
Instagramの歴史
2010年にサービスを開始したInstagram。
リリース当初は、SNSよりも写真加工アプリとして活用するユーザーも目立ちました。
2011年1月にハッシュタグ(※1)機能が追加され、興味・関心のあるトピックスにユーザー側から能動的にアクセスできるようになります。
もとは10数名のチームで運用を行っていたInstagramですが、2012年にFacebook社(現Meta社)による買収を受け、傘下に入りました。
現在、FacebookとInstagramの広告の仕組みが同一なのは、こういった背景によるものです。
参考:『Grab「Instagramとは何者だ? リリースから2021年10月までの歴史を探る」』
関連記事:『Instagram広告とFacebook広告の違いと特徴!成果を出す4つのポイント』
写真・動画が主体の視覚的なSNS
FacebookやTwitterなどのほかのSNSと比較すると、Instagramの最大の特徴はビジュアル重視である点です。
写真や動画投稿が主体であるため、視覚に訴えかけてユーザーの心をつかむことができます。
近年は、画像にテキストを加えた「文字入り投稿」が増え、ビジュアル+テキストで情報発信を行うアカウントも。
このように、自由度の高い投稿ができるところもInstagramが多くのユーザーに親しまれている理由のひとつです。
Instagramで用意されている投稿のフォーマットは下記の通りです。(2022年6月時点)
フィード投稿 | フォロワーのフィード画面に表示される |
ストーリーズ投稿 | 24時間で消えるエフェメラルな投稿。フィード画面の最上部に表示される |
リール投稿 | 15〜60秒のショート動画投稿。 フォロワー以外のリールタブ、発見タブ、ハッシュタグ検索にも表示される |
IGTV | 最大4時間の長尺動画や、Instagramライブのアーカイブを保存 |
関連記事:『Instagramのリール広告とは?設定方法と成果を出すポイント3選!』
発見ツールとしての役割も
Meta社の発表によると、2019年6月時点で日本のInstagramのアクティブユーザー数は3,300万人。男女比は男性43%、女性57%です。
引用:『Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」』
また、総務省による10代〜60代の男女1,500名を対象にしたよる調査では、年代別のInstagram利用率は、10代69.9%、20代68.1%、30代55.6%、40代38.7%、50代30.3%、60代13.8%という結果でした。
10代〜30代の半数以上はInstagramを利用していることがわかります。
引用:『総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」』
幅広い世代に親しまれているInstagramですが、友人・知人同士でのつながりだけでなく、有名人や企業、インフルエンサーの動向がチェックできるところも魅力です。
Meta社のリサーチでは、調査対象となった日本ユーザーのおよそ80%が「ビジネスアカウントをフォローしている」、50%が「Instagramで広告を見るとブランドへの関心が高まる」と回答しています。
また、同調査では対象者の42%がブランドからの投稿を閲覧していることもわかりました。
日本人にとって、興味・関心のある企業アカウントのフォローはごく自然なことであること、広告は新たなファンの獲得に有効な手段であることが示されています。
引用:『Meta「Instagramで新しいターゲット層を開拓するには」』
Instagramでは、「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」というミッションをかかげており、ユーザーが好きなものや興味・関心のある情報とつながるための機能やアルゴリズムが導入されています。
ビジネスにとっても「自社の商品・サービスを好きになってもらいたいユーザー」と接点を持つためには、Instagramの活用が欠かせません。
画像・動画の投稿のほかInstagram広告やショッピングといった企業にとって便利なサービスや機能が用意されています。
しかし、まずは基本となる自社のアカウントを運用し、育てていくことが大切です。
Instagramを含む各SNSの特徴やターゲット層については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事: 『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
Instagramをビジネスで活用するための準備
ここでは、Instagramアカウントを育てるための前準備の方法をご紹介します。
やみくもにアカウントを運用しても、思ったような反響を得るのは困難です。
アカウント運用の目的を明確にしたり、社内での運用環境を整えるところから始めましょう。
Instagramビジネスアカウントを取得する
アカウント切り替えの手順
企業としてInstagramを運用するなら、ビジネスアカウントを作るのが基本です。
ビジネスアカウントとは、企業やクリエイターのようなInstagramビジネスで活用するユーザーに向けたアカウント区分です。
ビジネスアカウントを作成する際、まずは通常のInstagramアカウントを作成します。
プロフィール画面の右上にあるハンバーガーメニュー(3本線)から「設定」→「アカウント」と進み、アカウントページの下部にある「プロアカウントに切り替える」をクリックしてください。
画面の表示に従い、自社が当てはまるカテゴリーと、「ビジネス」また「クリエイター」はクリエイターを選択します。
さらに、連絡先情報の確認・追加とFacebookとのひもづけを行えば、アカウントの開設が完了します。
切り替えの作業は5分もかからない簡単な内容です。
関連記事:『Instagramの企業アカウント開設5ステップ&運用マニュアル!』
ビジネスアカウントでできること
ビジネスアカウントを開設することで、下記の機能が使用できます。
- ビジネスプロフィールの表示
- インサイト(解析)の閲覧
- Instagram広告への出稿
- ショップの開設
ビジネスプロフィールの表示
ビジネスアカウントに切り替えることで、アカウントアイコンの下に自社のカテゴリーを表示したり、電話番号やメールアドレスなどの連絡先へのリンクを設けたり、住所を表示したりできます。
また、ショップ機能を利用している場合には「ショップを見る」というボタンが表示されます。
インサイトの閲覧
プロアカウントに切り替えることで、インサイトを活用した解析が可能になります。
インサイトでは、各投稿のリーチ数やリアクション数、フォロワーの推移などのさまざまな指標を計測できます。
各指標の詳細については後述します。
Instagram広告への出稿
Instagram投稿のような形で、自社の商品・サービスの広告を配信する機能です。
Instagram広告は、フィード、ストーリーズ、リール、発見タブなどの広告枠に掲載できます。
投稿に並んで表示されるため、広告っぽさを打ち消した訴求も可能です。
配信先のユーザーの属性などを細かく絞り込み(ターゲティング)できるので、自社への関心度が高い層にアプローチしやすいところも特徴のひとつです。
Instagram広告では、下記の4種類の方法でターゲティングを行います。
コアオーディエンス | 居住地や年齢、性別などのユーザー情報をもとにターゲティング |
インタレストターゲティング | ユーザーの興味・関心をもとにターゲティング |
カスタムオーディエンス | 問い合わせ・購入履歴・サイト閲覧など、すでに接点があるユーザーにアプローチ |
類似オーディエンス | すでに広告運用で成果があったユーザーと類似するアカウントをターゲティング |
Instagram広告の基本的な機能については、こちらの記事で詳しく掘り下げています。
関連記事:『Instagram広告の特徴とは? 10のポイントを解説』
ショップの開設
Instagramでは、2018年からショッピング機能を導入しています。
審査を通過してショッピング機能が使えるようになれば、商品を掲載したショップページを作成したり、投稿に掲載している商品のタグ付けから商品ページに遷移させたりできます。
現在はInstagramから自社のECサイトに流入させる方法が主流ですが、「shopify」の決済サービスと連携させることで、Instagram内で決済まで完結が可能です。
参考:『PLAN-B「Instagramショッピング機能の使い方【2022年最新情報】」』
ペルソナを設定する
ビジネスアカウントの開設が完了すれば、次は目標設定や投稿内容の企画を行います。
企業がInstagramアカウントを運用するにあたり「どんなユーザー」に向けて情報を発信するのかを明確にしておくことが大切です。
対象となるユーザー像がはっきり決まっていないと、投稿の内容にブレが生じ、統一感のない印象を与えてしまうでしょう。
そこでおすすめしたいのが、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザーイメージである「ペルソナ」を設定すること。
あらかじめペルソナを作り込んでおくことで、発信内容に統一感・安定感がもたらされます。
ペルソナ設定に必要な要素(一例)
これらはあくまで一例であり、さらに自社の商品・サービスに関わる要素を肉付けする必要があります。
たとえばヘアケア商品を扱う企業がペルソナを設定するなら、「毎日どれぐらいお手入れをしているのか」「月にかかる美容代」「ヘアサロンに通う頻度」などがあると良いでしょう。
作り込むのはあくまでリアルなユーザーのイメージです。
「理想のユーザー」ではないので、実在しそうな現実的な人物像を設定してください。
ペルソナの作り方については、こちらの記事で具体的な手順をご紹介しています。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
KPIを設定する
KGIとKPI
企業でInstagramを運用するにあたり、アカウントの目的や目標を定めることが大切です。
「ブランドの認知を拡大したい」「自社のECサイトでの売上を増やしたい」「Instagram経由を利用して実店舗への来店を促進したい」など、実現したいゴールは企業によってさまざまでしょう。
まずは、Instagramの運用によって達成させたいゴールをKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)として設定します。
次に、KGIを達成させるために必要なプロセスの進捗度を計測するKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を定めてください。
KPIには、インサイトで計測できる指標を設定しましょう。
KGIが「ECサイトの売り上げを前年比120%にする」であれば、KPIとしては「Instagram経由でのECサイトへの流入を前年比200%にする」などが例として挙げられます。
KGIとKPIを達成することでKGIも目標を達成させられるよう、連動性を持たせることが大切です。
インサイトで計測できる指標
インサイトでは、下記の指標の数値がわかります。
リーチ数
投稿が何名のユーザーに閲覧されたのかを表す指標です。
同一のユーザーが複数回閲覧した場合はリーチ数1としてカウントされます。
つまり、ユニークユーザー数を示す数値です。
フォロワーとフォロワー以外のリーチ数がどちらも表示されるので、商品・サービスの認知度向上などを運用目的とする場合に参考になります。
インプレッション数
投稿が何回閲覧されたのかを示します。
リーチ数が閲覧したユーザーの人数を表すのに対して、インプレッション数は回数を表します。
たとえば同一ユーザーが3回閲覧すると、インプレッション数は3カウントされます。
インプレッション数は、プロフィール・ハッシュダグ・その他・ホーム・発見・地域などの経路のなかでどこから投稿が閲覧されているのか内訳を知ることができます。
「ハッシュタグの内容を変えて効果測定をしたい」といったテストを行う際にも役立ちます。
プロフィールへのアクセス数
投稿からプロフィールにアクセスした数を示します。
また、そこからフォローされた人数もわかります。
エンゲージメント数
投稿に対してユーザーが起こしたアクションの数をチェックできます。
各投稿の「インサイトを見る」ボタンをクリックすると、いいね数・コメント数・シェア数・保存数が表示されます。
この数が多いほど、ユーザーにとって有益であったり、興味深い投稿です。
運用をスタートしてから一定期間が経過したら、エンゲージメント数の高い投稿の傾向を洗い出してみましょう。
インタラクション数
プロフィール画面右上のハンバーガーメニューからインサイトを選択すると、インサイト概要に遷移します。
「あなたがシェアしたコンテンツ」から投稿一覧の画面にうつると、 画面上部のプルダウンメニューより、表示するインタラクションの指標を選択できます。
ここでは、いいね数やコメント数に加え、「メール送信のボタンのタップ数」「電話するボタンのタップ数」「ウェブサイトのタップ数」などを確認できます。
合計フォロワー数
アカウントをフォローしている人数を確認できるほか、期間を指定してフォロワー数の推移を確認したり、フォロワーの年齢や地域などの閲覧も可能です。
参考: 『株式会社アイズ「Instagram運用の基本と、代行会社の選び方を解説!」』
関連記事:『Instagramのフォローとは?基本の使い方と増やす3つのコツ』
目的に合わせたKPIの設定
アカウントの運用目的が商品・サービスの認知度向上なら、より広い層に知ってもらうためにリーチ数やフォロワー数などをKPIに設定すると良いでしょう。
また、ある程度認知はされている状況でファンを増やすならエンゲージメントの数や率を追うのがおすすめです。
Instagramを活用して売上をアップしたいと考えている場合は、ECサイトへの流入数などを追いかけてみてください。
なお、アカウントの成熟度合いに合わせて、KPIの方向性も見直しが必要です。
十分にフォロワー数を獲得できたなら次のステップとしてエンゲージメントを強化するなど、あらかじめ計画を立てておきましょう。
投稿や運用のルールを策定する
チームでInstagramを運用する場合、日や時間帯によって投稿やコメントの返信をする担当者が変わるケースも多いでしょう。
誰が対応しても同じクオリティーを保つために、あらかじめ投稿や運用に関するルールを決めておくことをおすすめします。
マニュアルを作成すれば、配置換えや退職などでメンバーが入れ替わった際も、質を落とさずにアカウント運用ができます。
下記の項目はあらかじめマニュアル化しておくと便利です。
- 画像や動画の撮影ツール
- 加工の手順
- 投稿のペースや時間
- キャプションの文体やハッシュタグの内容
- コメント返信などユーザーとのコミュニケーションルール
Instagramの効果的な運用方法5選
アカウント開設や目標設定などの準備ができたら、アカウントの運用を開始しましょう。
ここからは、企業が認知を拡大し、ファンを獲得するための投稿のポイントについて解説します。
ハッシュタグでフォロワー以外へのリーチを増やす
日本人はハッシュタグ検索が好き
Instagramのユーザーは、ハッシュタグ検索によって自分が興味・関心を持つトピックスの情報収集を行います。
Meta社の発表によると、日本のInstagramユーザーがハッシュタグ検索をする回数は、グローバル平均の5倍。
前述の、日本人が企業アカウントをフォローする割合80%という数字からも、Instagramが情報収集のツールとして活用されている現状が見えます。
引用:『Meta「好きと欲しいをつくるInstagram」「Instagramで新しいターゲット層を開拓するには」』
企業アカウントで投稿をする際も、ハッシュタグをうまく使いこなせるかどうかがリーチ数を増やす鍵を握っているともいえるでしょう。
さまざまなボリュームのハッシュタグを組み合わせるのがおすすめ
ハッシュタグは1投稿につき最大で30個まで付けられます。
投稿数の多いハッシュタグ(ビッグワード)は多くのユーザーの目に留まりそうに思われますが、埋もれてしまう可能性もあります。
ビッグワードだけでなく、ミドルワードやスモールワードなども組み合わせて、幅広い層にアピールできるようにしましょう。
たとえば、投稿数の多い「#インテリア」は日本中のインテリア好きへアプローチできますが、まだフォロワー数の少ない段階では投稿を目立たせるのが難しい場合も。
そこで、「#韓国インテリア」「#一人暮らしインテリア」「#アラサーインテリア」と対象を絞ったハッシュタグをつけたり、「#インテリアグリーン」などのアイテム名のように#インテリア単体よりも投稿数の少ないハッシュタグを取り入れたりしてみると良いでしょう。
また、「#おうち時間を楽しむ」「#インマイルーム」「#一人暮らし女子」など、インテリアカテゴリーで多く使用されているハッシュタグを研究してみるのもひとつです。
自社で活用できそうなハッシュタグを探すなら、同業他社やそのカテゴリーで人気のあるインスタグラマーが投稿に付けているものをチェックすることをおすすめします。
また、自社商品・サービスのファンを育てるなら、オリジナルのハッシュタグを作り使用を促す方法も有効です。
ハッシュタグの活用例
引用:『Instagram ニトリ公式アカウント』
家具やインテリア用品、生活雑貨などを扱うニトリでは、「#mynitori 」「#ニトリ」のハッシュタグや「@nitori_official」のメンションを付けて投稿された商品写真をストーリーズで紹介するという取り組みを行っています。
企業側にはユーザーに商品写真を拡散してもらうことができる、ユーザー側には公式アカウントにリポストされ多くの人に見てもらえるというメリットがあります。
投稿にメンションを付ける
ハッシュタグ検索で発見タブで投稿を閲覧したユーザーにスムーズにフォローしてもらえるよう、プロフィールへの導線を多く作っておくのがおすすめです。
キャプションの目立つ位置に自社アカウントのメンション(@アカウント名)を追加したり、投稿にタグ付けしてタップを促しましょう。
ユーザーとのコミュニケーションをはかる
細やかなコミュニケーションで関係構築
企業とユーザーが双方向的にコミュニケーションを取れるのがSNSの大きなメリットです。
とくにInstagramは、コミュニケーションの手段が多岐にわたるSNSです。
コメント欄やいいね!機能、Instagramライブなどを活用してユーザーと接点を持つことで、より思い入れを持ってもらえます。
コメントに対して丁寧に返信したり、自社の商品・サービスについて投稿があった際に「いいね!」で感謝を伝えるなど、日頃から細やかな対応を心がけましょう。
ストーリーズを有効活用
よりカジュアルにやりとりをするなら、ストーリーズを活用すると効果的です。
24時間で投稿が消えるという点も手伝って、ユーザーにも気軽にコミュニケーションを楽しんでもらえます。
ストーリーズ機能には、質問箱でユーザーからの質問を募集したり、アンケートで企業側から質問を投げかけたり、クイズを出題したりと、多彩なコミュニケーションツールが導入されています。
また、カウントダウン機能では、新製品の発売や重大な情報リリースまでの時間を盛り上げることができます。
質問箱やアンケートで拾い上げたユーザーのリアルな声を、今後のアカウント運用や商品開発などにも役立てられるのもメリットです。
ライブ配信でリアルな魅力を伝える
アパレルブランドなどで多く見られるのが、Instagramライブを使った商品紹介です。
商品を実際に手に取ってリアルタイムで解説するため、写真では伝わりにくい魅力を訴求できます。
近年では、雑誌の発売日に編集部が「今月の見どころ」を紹介したり、インフルエンサーが新作コスメでメイクを実況したりと、ライブ配信の内容も多様化しています。
ユーザーにとっては隣で話を聞いているような感覚で、より気軽に質問などを投げかけられます。
後述しますが、ユーザーからのリアクションが多い投稿やアカウントは「発見タブ」に表示される際に有利です。
やりとりを積み重ねることで、アカウントの価値向上にもつながります。
キャンペーンを実施する
フォロワーを増やしたり、自社の認知度を拡大したい場合は、キャンペーンの開催を検討しましょう。
自社の商品・サービスを知らないユーザーにアピールでき、新たなファンの獲得につながります。
キャンペーンの告知投稿をInstagram広告で配信すれば、多くのユーザーの参加を促すことができます。
キャンペーンの方法として多くみられるのが、下記の手法です。
- 期間中にフォローをし、特定のハッシュタグをつけて投稿をしたアカウントのなかから抽選でプレゼントが当たる。
- 期間中にフォローをし、特定の投稿をリポストしたアカウントのなかから抽選でプレゼントが当たる。
- 自社商品を使っている画像+特定のハッシュタグ付きの投稿のなかから抽選でプレゼントが当たる。
- Instagramのフォロワー限定で、実店舗でプレゼントがもらえる。
なかには、ユーザーにかかる手間を最小限にまで減らした「フォローするだけ」というキャンペーンもあります。
キャンペーンを実施する際には、Instagramで定められているガイドラインに抵触しないよう注意しましょう。
ガイドラインでは、金銭や金券などのプレゼントが禁止されています。
プレゼントには、金銭に相当するものではなく商品を選ぶようにしてください。
キャンペーンで一時的にフォロワーを獲得できたとしても、すぐにフォローを解除されてしまっては本末転倒です。
フォローしてくれたユーザーから「面白い」「有意義」と思ってもらえるような投稿を行い、継続してフォローしてもらう必要があります。
また、なるべく自社の商品・サービスに興味がある層にキャンペーンに参加してもらえるよう、キャンペーンの内容やプレゼントする商品の選定の際はペルソナをしっかりと反映させましょう。
キャンペーンの事例
家具の通販ブランド・LOWYAでは、新生活準備が活発になる2022年3月11日〜3月21日にかけて「#LOWYASNAP投稿キャンペーン」を実施しました。
キャンペーンの内容は、LOWYA公式アカウントをフォローし、自社商品を使ったインテリアスナップに指定のハッシュタグと公式アカウントをタグ付けした投稿のなかから、抽選で7名に家具やインテリアグッズをプレゼントするというもの。
景品のインテリアグッズは、70種類以上から好きなものを選べる豪華さで注目を集めました。
このキャンペーンは、すでに自社の商品を購入しているユーザーが対象となるので、関係性を深める役割を果たします。
また、新生活に向けて家具の販売数が多くなる時期なので、これまでLOWYAを知らなかったユーザーからの認知を上げる効果も期待できます。
既存のユーザーが撮ったインテリアスナップは、リアルな商品購入事例(ユーザーの声)としても活用が可能です。
投稿内容を洗練させる
Instagram内のトレンドは日々変化します。
投稿内容であったり、画像や動画のテイストや加工方法、文字入れのフォント、ハッシュタグの内容などは、最新の傾向に合わせて常にブラッシュアップを行いましょう。
また、Instagramは新しい機能がハイペースでリリースされています。
新機能をいち早く使いこなすことで、投稿内容も新鮮さを保てます。
クリエイティブを作成する際の注意点は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
Instagramのアルゴリズムを理解する
Instagramでフォロワーを増やす際、「発見タブ」や「リールタブ」などに表示される頻度を増やし、発見性を高めることが大切です。
Instagramでは、ユーザーの興味・関心を分析し、一人ひとりにパーソナライズされた投稿表示を行っています。
このアルゴリズム(※2)を理解し、なるべく多くのユーザーに自社のアカウントを見つけてもらえるように運用を行いましょう。
シグナルを貯めることで表示頻度が上がる
シグナルとは、 Instagramで発見タブやリールタブなどの表示順位を決める要素です。
Instagramのミッションである「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」にもとづき、投稿の内容やアカウント間のコミュニケーションなどを計測し、アカウントにシグナルとして積み上げられていきます。
発見タブのランク付け
発見タブは、ユーザーに新しい出会いを提供することに重きを置いています。
ここで上位に表示される投稿は、複数のシグナルによって決定付けられます。
アルゴリズムの詳細は明らかにされていませんが、Instagramの公式発表では下記の言及がありました。
投稿に関する情報
その投稿のいいね!数、コメント数、保存数や、これらのアクションが行われるスピードによって人気の高さを判断し、表示順位にも反映させます。
投稿者と閲覧者のやりとりの履歴
発見タブには、過去にいいね!やコメント、保存などのアクションを起こしたけれどフォローをしていないアカウントの投稿が優先的に表示されます。
閲覧者の行動履歴
閲覧ユーザーが過去にいいね!やコメント、保存などのアクションを起こした投稿の傾向や、発見タブで表示された投稿に対する反応などを判断材料としています。
投稿者の情報
直近の数週間の間に多くのエンゲージメントを得たアカウントの投稿が表示されます。
エンゲージメントの獲得数が多い=魅力的と判断され、より多くのユーザーとの出会いの機会を持つことができます。
このように、閲覧するユーザーの興味や関心に沿った投稿や、過去に接触があったアカウントの投稿、ほかのユーザーからも人気が高い投稿などが表示されやすいことがわかります。
参考:『Instagram「Instagramの仕組みを解き明かす」』
リールタブのランク付け
リールタブに表示される投稿も、発見タブと同様に新しい出会いの提供が重視されています。
こちらも、 Instagramの公式発表をもとに解説します。
リールはとくに「見ていて楽しいかどうか」が重視されます。
Instagram側で特定のリールに対するフィードバッグを収集し、どんな投稿がユーザーにとって楽しいのか判断しているそうです。
閲覧者の行動履歴
閲覧ユーザーが過去にいいね!やコメントなどのアクションをしたリールの傾向をもとに、関連性の高い投稿を表示します。
投稿者と閲覧者のやりとりの履歴
過去にいいね!やコメントなどのやりとりがあった場合、表示される可能性が高まります。
投稿に関する情報
動画の画質(解像度の高さやフレームレート)、使用されている音源のタップ数、投稿の人気度(いいね!数やコメント数など)がシグナルです。
投稿者の情報
発見タブと同様、ほかのユーザーから多く支持されているアカウントの投稿は魅力的であると判断され、表示の可能性が高まります。
参考:『Instagram「Instagramの仕組みを解き明かす」』
なお、リール投稿でもInstagram広告の出稿ができます。
動画を使ったインパクトのあるアプローチを検討しているなら、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
詳しくは下記にて解説しています。
関連記事:『Instagramのリール広告とは?設定方法と成果を出すポイント3選!』
シグナルを意識した運用でアカウントを育てる
投稿の発見性を高めるには、シグナルを貯めることが重要です。
いいね!やコメント、保存といったユーザーからのアクションを集めてエンゲージメントを強化することで、結果的にシグナルが貯まります。
シグナルが貯まるほどフォロワー外にもリーチさせやすくなり、結果的にフォロー数の伸びにつながります。
まずは、いいね!やコメント、保存数を増やすことに注力しましょう。
シグナルを貯める有効な方法
シグナルを貯めるための方法をいくつかご紹介します。
フィード投稿をストーリーズで拡散する
フォロー数が多くフィードを見落としがちなユーザーにも訴求できるよう、投稿した際にストーリーズでシェアすることをおすすめします。
タップするだけでフィード投稿に遷移してもらえるので、いいね!やコメントの取りこぼしの防止にもなります。
コメントや保存を促す投稿をする
コメント数や保存数を増やすために、ユーザーがついアクションを起こしたくなる投稿を目指しましょう。
たとえば、2種類のファッションコーディネートを載せて「あなたはどちらが好み?」と問いかけたり、カテゴリーに関連のあるクイズを出題するなどの方法でコミュニケーションをとる方法が有効です。
また、豆知識やお得な情報を掲載し「保存していつでも読み返せるように【保存】してくださいね」とアピールするのもひとつです。
コンスタントに質の高い発信ができれば、自然とユーザーからのアクションが増えてシグナルが貯まります。
企業のInstagram活用事例
Instagramの機能を使いこなし、アカウントの運用に成功している企業の事例をご紹介します。
ぜひ、自社の施策に役立ててみてください。
NOBLE
引用: 『Instagram NOBLE公式アカウント』
株式会社ベイクルーズのアパレルブランド・NOBLEでは、Instagramライブを有効活用したアカウントの運用を行っています。
週に数回、店舗や本部のスタッフが店頭で実際に販売されている商品を着用し、コーディネートを紹介するライブ配信を実施。
コメント欄では素材やお手入れの方法、着回しなどさまざまな質問が寄せられています。
また、ライブ配信で活躍するスタッフは個々にアカウントを持ち、投稿にタグ付けされています。
ユーザーが好みのテイストや身長などが自分と近いスタッフを見つけ、着こなしを参考にできる点も好評です。
ヤング日経
引用:『Instagram ヤング日経アカウント』
日本経済新聞社の公式アカウント。
若手の社会人に向けてビジネス用語を解説しています。
新聞といえば文字のイメージが強く、ビジュアルがメインであるInstagramとの親和性が低いと考える方もいるでしょう。
しかし、このアカウントではニュースでも話題の用語を少ない文字数で端的に解説しているので、視覚的にもわかりやすいのが特徴です。
カルーセルではなく画像一枚に情報が集約されており、新聞などのメディアをじっくり読む時間がとれない、忙しいビジネスマンにも受け入れられやすい投稿形式です。
投稿の「1秒で役立つ!ビジネス用語」というキャッチフレーズどおり、休憩時間や隙間時間に行う気軽な情報収集に適しています。
無印良品
食料品や家具、衣類、生活雑貨など多岐にわたる商品を扱う無印良品。
公式アカウントでも、さまざまなカテゴリーのアイテムを紹介しています。
扱うトピックスはバラエティーに富んでいるものの、フィード画面の投稿はナチュラルで落ち着いたトーンに統一され、ブランドのイメージを維持することに成功しています。
無印良品ならではの世界観を楽しめるアカウントです。
また、ハッシュタグを使ったキャンペーンや商品の人気投票などを積極的に行っているのも特徴。
ユーザー参加型で楽しめる企画を、アカウント運用の参考にしてみてください。
まとめ
企業としてInstagramのアカウントを運用するなら、まずは機能や投稿表示の仕組みについて理解するところからスタートしましょう。
ビジネスアカウントでは、投稿のリーチ数やフォロワー数の変動をはじめ、さまざまな数値を計測できます。
より多くの反響があった投稿の内容を分析し、次のコンテンツに生かすことで、発信内容の質が向上するでしょう。
より多くのユーザーにリーチさせるなら、Instagram広告の活用をおすすめします。
自社の商品・サービスのアピールはもちろん、アカウントの存在をより多くの人に知ってもらう目的にも有効です。
株式会社Unionでは、Instagram広告の運用サポートを行っています。
クオリティの高いクリエイティブ制作やプロ目線でのターゲティングにより、効果の高い運用が可能です。
Instagram広告の導入を検討される際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者
matsuyama2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。